
院長:高木お気軽にご相談ください!

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筋トレを始めようと思って腕立て伏せをやってみたら、体が全然上がらなかった。そんな経験はありませんか?
「こんなこともできないなんて」と落ち込んでしまった方もいるかもしれません。でも最初に知っておいてほしいのは、腕立て伏せが1回もできない大人はとても多いということです。
今回は、腕立て伏せがうまくできない原因と、今日から取り組める段階的な練習法をわかりやすくお伝えします。


腕立て伏せができない原因は筋力不足だけでなく、体幹や姿勢・関節の可動域など全身のバランスが深く関わっています


「腕立て伏せくらいできると思ってた」という方は多いですが、実際には1回もできない大人はかなりの数います。
運動習慣がない方・デスクワーク中心の方・産後の女性などでは、体が弱いというわけでなく、腕立てで使う筋肉を日常的に使う機会がなかっただけのことがほとんどです。
体力テストのデータを見ると、女性では腕立て伏せが1回もできない方が多数を占めているのが実態です。
これは「体力がない」のではなく、日常生活で大胸筋や上腕三頭筋を使う機会がほとんどないからです。椅子に座り続けるデスクワークでは、上半身の前側の筋肉が使われないまま何年も過ぎていきます。
30〜40代の男性に多いのは「昔はできていたのに今はできない」というパターンです。加齢に伴う筋肉量の変化や運動量の減少も関係する場合があります。これも特別なことではありません。


腕立て伏せは腕だけでなく、胸・体幹・肩・手首など全身が連動してはじめて成り立つ動きです。できない原因も1つだけとは限らず、複数が重なっていることがほとんどです。自分に当てはまるものをチェックしてみてください。
腕立て伏せで主に使う筋肉は、胸の大胸筋と二の腕の裏側にある上腕三頭筋です。腕が先に疲れて体が上がらない方は上腕三頭筋が、胸が先にきつくなる方は大胸筋が弱いサインです。
どちらも日常生活では使う機会が少ない筋肉なので、運動していない期間が長いほど衰えやすくなります。筋力不足は練習で補えるので、当てはまっても焦らなくて大丈夫です。
腕立て伏せでは、体を一枚の板のようにまっすぐ保ちながら動く必要があります。腹筋や背筋といった体幹が弱いと、腰が反ったりお尻が上がったりと体の形が崩れてしまいます。
腰が反ってしまう場合は体幹の弱さが関係していることもあります。この状態で回数を重ねると腰を痛めるリスクもあります。筋トレと並行して体幹トレーニングを取り入れることが大切です。
間違ったフォームのまま続けると、力がうまく入らず余計に疲れてしまいます。手の幅が狭すぎたり、肘を横に開きすぎたりするのがよくある例です。
肘を外側に大きく開いてしまうと、大胸筋ではなく肩の筋肉(三角筋)に負荷が逃げてしまいます。フォームの詳しいポイントは後のセクションで解説します。
手を床についたとき、手首が痛かったり反らしにくいと感じる方は、手首の可動域が狭くなっている可能性があります。
長時間のデスクワークやスマートフォン使用で前腕の筋肉が硬くなっているのが主な原因です。可動域が狭いまま無理に続けると手首を傷めることにもつながるため、ストレッチも組み合わせることが重要です。
慢性的な猫背や巻き肩がある方は、肩甲骨が本来の位置からずれた状態で固まっています。この状態では大胸筋が正常に伸び縮みできないため、腕立て伏せで力を出しにくくなります。
デスクワーク中心で肩こりが慢性化している方は、このタイプに当てはまりやすいです。いくら練習しても、肩甲骨の動きが悪いままでは効率が上がりません。
腕立て伏せは自分の体重を腕と胸で支える運動です。体重が増えているのに筋力が落ちている状態では、その差が大きいほど難しくなります。
体重を落とさなければいけないという話ではなく、今の体重に見合った筋力をつけていくことが大切です。次に紹介する段階的なステップで、少しずつ体を慣らしていくことができます。


1回もできない状態からいきなり床で腕立て伏せをしようとするのは、少し無理があります。体に合ったレベルから始めて少しずつステップアップする方法が、遠回りに見えて実は一番の近道です。次の4段階を参考に、今日できるところから始めてみてください。
まずは立った状態で壁に手をついて行う壁腕立て伏せから始めます。体が立っている分、体重のかかり方が軽くなるため、筋力が少ない段階でも安全に取り組めます。
肩幅より少し広めに手を壁につき、肘をゆっくり曲げながら鼻が壁に近づくように体を倒します。壁腕立てが連続10回以上スムーズにできたら次のレベルへ進みましょう。
次は床に膝をついた状態で行います。腰が反らないよう、お腹を軽く引き込んだ状態をキープするのがポイントです。
最初は「下ろすだけ」のプッシュダウンでも構いません。体をゆっくり床に近づけて、戻すのは膝立ちのままでOKです。これで腕と胸を刺激しながら、少しずつ筋力をつけていけます。膝つきで連続10回できたら次へ進みましょう。
手をソファの背や机の縁などに置いて行うインクライン腕立て伏せです。台が高いほど負荷が軽くなります。
壁腕立てと床の腕立ての中間の負荷で、体幹を使いながら正しいフォームを練習するのにも向いています。連続10回できたら通常の腕立て伏せへ挑戦してみましょう。
ここまで来たら、いよいよ床での腕立て伏せに挑戦です。最初は1〜2回しかできなくても全く問題ありません。
回数よりもフォームを丁寧に意識しながら、週3回を目安に続けることが大切です。ゆっくり下ろしてしっかり押し上げる動作を意識することで、少ない回数でも効果が出やすくなります。


練習を始めても、フォームが崩れたままでは効果が出にくいだけでなく、肩や手首に余計な負担がかかります。難しいことは何もなく、次の3つのポイントを意識するだけで体の動かしやすさがぐっと変わります。ぜひ確認してみてください。
手を置く位置は、肩幅よりも少し広めが基本です。手が狭すぎると上腕三頭筋だけに負荷が集中し、すぐに腕が疲れてしまいます。
また、指先だけで支えるのではなく手のひら全体で床をしっかり押すことで、手首への余計な負担を減らすことができます。
肘の向きは真横に開くのでも体にぴったり閉じるのでもなく、体の斜め外側45度くらいが理想です。
肘を真横に開きすぎると三角筋に負荷が逃げてしまい、大胸筋への刺激が弱まります。逆に閉じすぎると上腕三頭筋に偏るため、ちょうどいい角度を探してみてください。
体を下ろすときも上げるときも、お腹を軽く引き込んだ状態を意識することが大切です。これだけで腰が反りにくくなり、体幹がしっかり働いてくれます。
お尻が上がる・腰が落ちるという方は、まずハイプランク(腕立ての姿勢で静止)を30秒キープする練習から始めると、体幹の使い方が自然と身についていきます。


「やってみたいけど手首が痛い」「肩に違和感が出る」という方も少なくありません。痛みがある状態で無理に続けるのは逆効果になることがあります。まずは痛みの原因を理解したうえで、体に無理のない方法を選んでいきましょう。
手首の痛みが起きやすい主な原因は、手首を反らせる動き(背屈)の可動域が狭まっているためです。腕立て伏せでは手首を90度近く反らせた状態で体重をかけるため、可動域が狭い方には大きな負担がかかります。
デスクワークやスマートフォンの長時間使用で前腕が硬くなっている方は、特にこの状態になりやすいです。「手首が柔らかくない」と感じる方は、ストレッチから始めることをおすすめします。
手首への負担を減らすために最も効果的な方法は、プッシュアップバーを使うことです。手首を反らせずに握ったまま動作できるため、可動域の問題をカバーできます。
バーがない場合は机や台の縁をつかんで行うインクライン腕立て伏せも有効です。前腕と手首のストレッチ(手首を前後にゆっくり曲げ伸ばしする動き)を腕立ての前後に行う習慣をつけると、少しずつ可動域が改善されていきます。明確な痛みや腫れがある場合は、無理せず休養を優先してください。


「ちゃんと練習しているのに一向に変化がない」という場合、筋力だけの問題ではなく体の構造的な部分が影響しているケースがあります。これは体が根本的に弱いという話ではなく、日常の姿勢や体の使い方のクセが深く関わっていることがほとんどです。
慢性的な猫背がある方は、背骨が後ろに丸まった状態で固まっており、大胸筋が正常に伸び縮みしにくくなっています。腕立て伏せに必要な力が出せないのは、筋肉量の問題というより体の可動性の問題です。
巻き肩の方は肩甲骨が外側にずれた位置で固定されており、腕の押す力が胸にうまく伝わりません。骨盤が前に傾いている方(反り腰)は体幹が固定されにくく、腕に余計な負荷がかかります。このような体の状態は、練習量を増やすだけでは解決しにくいものです。
胸椎の柔軟性を高めるには、背中の丸みをほぐすストレッチが効果的です。フォームローラーを使って背骨をほぐしたり、ヨガのキャットカウのような動きで背骨を動かす習慣をつけると、徐々に可動域が改善されていきます。
巻き肩には、肩甲骨を後ろに引き寄せる動きをこまめに取り入れることが有効です。1時間に1回、肩甲骨を後ろに引いて10秒キープするだけでも、積み重なると大きな差が出てきます。
それでも変化を感じにくい場合は、体の専門家に状態を確認してもらうことも選択肢のひとつです。自分だけで抱え込まず、困ったときは周りに頼ることも大切な判断です。
腕立て伏せができないことは、才能や体の限界ではありません。多くの場合は練習と体のケアで改善が期待できます。
自分のレベルに合ったステップから始めて、フォームと体のメンテナンスを意識しながら続けていけば、少しずつできるようになっていきます。
うまくいかないと感じたときは一人で悩まず、体のことをよく知る専門家に気軽に相談してみてください。