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変形性膝関節症は温めるべき?冷やすべき?判断ポイントを解説

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膝が痛むとき、とっさに温めていいものか、冷やすべきか、迷ってしまいませんか。「お風呂に入ると少し楽になる」と感じている方もいれば、「温めたら逆に腫れてしまった」という経験をされた方もいると思います。

変形性膝関節症の方にとって、膝を温めることは役立つことがあるセルフケアのひとつです。ただし、状態によっては逆効果になることもあるため、正しい判断基準を持つことがとても大切です。

この記事では、今の膝の状態を見極める方法から、具体的な温め方の手順・注意点までを丁寧にお伝えします。「知りたかったことが全部わかった」と感じていただけるよう、順番に解説していきますね。

院長:高木

「膝は温めていいですか?」というご質問は、変形性膝関節症の方から本当によくいただきます。答えは「状態によって変わる」のですが、その判断ポイントをきちんと知っておくだけで、日々のケアが大きく変わります

目次

まず確認|今の膝の状態を3つのポイントでチェック

温めるか冷やすかを判断する前に、今の膝がどんな状態にあるかを確認しましょう。大切なのは「急性期(炎症が活発に起きている状態)」か「慢性期(炎症は落ち着いているが痛みが続く状態)」かを見極めることです。

チェックするポイントはシンプルで、自分の手で触ってみることも目安になります。以下の3つを順番に確認してみてください。

チェック①|膝が腫れている・熱を持っている場合

まず両膝を手のひらで包むようにやさしく触ってみてください。左右を比べて、片方だけ明らかに熱い・腫れている・赤みがある、という場合は炎症が起きているサインかもしれません。

こういった状態のときに温めると、腫れや痛みが強くなることがあります。このケースでは保冷剤をタオルで包んで15〜20分当てるなど、まずは冷やすケアを優先しましょう。

「カイロを貼ったら翌朝膝がパンパンに腫れていた」というのは、炎症期に温めてしまった可能性がある例です。思い当たることはありませんか。

チェック②|腫れも熱もないが重だるく痛む場合

触っても熱感がなく、見た目に腫れもない。でも動き始めに重だるさがあり、長時間歩くと痛みが出る。こういった状態は慢性期のサインで、温めることで症状が和らぎやすいタイミングです。

変形性膝関節症の方の多くはこの慢性期の状態が長く続いています。「お風呂に入ると楽になる」という感覚があるのは、まさにこのパターンです。

チェック③|迷ったときの見極め方(感覚・期間・きっかけ)

「腫れているかどうかよくわからない」という方は、試しに軽く温めてみて、その後に痛みが増したかどうかを確認してみましょう。

温めた後に痛みが強くなる場合は炎症が残っている可能性があります。すぐに中止して、しばらく冷やしてください。逆に温めると楽になるなら、そのまま継続して問題ありません。

また、整形外科で膝の水を抜いてもらった経験がある方も、水が溜まっている状態のときは冷やすことを優先してください。水腫は炎症に伴って起こることが多く、温めると症状が悪化しやすいためです。

変形性膝関節症を温めると何が起きるか|メカニズムを解説

「お風呂に入ると楽になる」という感覚の理由を、意外と知らない方は多いものです。温めることで体に起きる変化は大きく2つあり、それぞれが膝の痛みを和らげることに深く関わっています。

仕組みを理解しておくと温め方もより丁寧になるので、ぜひ読んでみてください。

血流が改善されると痛みが和らぐ理由

膝を温めると周辺の血管が拡張して血流が増えます。血流が増えると、痛みを感じやすい状態が和らぎやすくなります。同時に酸素や栄養素も届きやすくなるため、組織の回復に必要な環境も整いやすくなります。

冷えた状態が続くと血流が滞り、膝の周辺が痛みを感じやすい状態になりやすくなります。冬や雨の日に膝の痛みが特に強くなるのは、こういったことも一因です。

筋肉の緊張がほぐれて関節の動きがスムーズになるしくみ

温めると筋肉の緊張が和らぎやすくなります。膝の周辺には大腿四頭筋(太ももの前側)やハムストリングス(太ももの裏側)など、膝の安定に関わる筋肉が多くあります。

これらが冷えて固まっていると膝関節への負担が強まり、痛みが増しやすくなります。温めることでこの緊張がほぐれ、関節の動きがスムーズになりやすい。これが「お風呂上がりに膝が動かしやすくなる」感覚の正体です。

正しい温め方5つ|方法・時間・頻度を具体的に解説

温め方にはさまざまな選択肢があります。それぞれに効果の出やすい時間や使い方のポイントがあるので、ご自身の生活スタイルに合ったものを選んでみてください。

ここでは5つの方法を、使い方・時間の目安・注意点も含めて具体的にご紹介します。

①入浴(取り入れやすい方法)

取り入れやすい方法のひとつが入浴です。全身の血流が促進されるうえ、お湯の浮力で膝への負担が軽くなるため、筋肉がほぐれやすい環境が整います。

温度の目安は38〜40℃のぬるめのお湯で、10〜15分ほどゆっくり浸かるのが理想です。熱すぎるお湯は体への負担が大きいため注意してください。

朝と夜の1日2回入浴できると、より楽に感じやすくなることがあります。入浴後に椅子に座ってゆっくり膝の曲げ伸ばしを10回行うのも、筋肉が緩んでいるタイミングで痛みが出にくくておすすめです。

②ホットパック・蒸しタオル

入浴が難しい日は、ホットパックや蒸しタオルで膝を局所的に温める方法があります。1回あたり20〜30分を目安に、1日数回行うことができます。

蒸しタオルは、濡らしたタオルをレンジで1〜2分加熱するだけで簡単に作れます。膝に当てるときは熱すぎないか必ず確認してから使いましょう。肌が弱い方は薄いタオルを1枚挟むと安心です。

③温湿布

市販の温湿布も、慢性期の膝の温めに活用できます。ただし湿布の温熱効果は深部にまでは届きにくく、入浴やホットパックほどの効果は期待しにくいです。あくまで補助的なアイテムとして活用しましょう。

冷湿布を長く使ってきた方もいると思いますが、慢性期には温湿布の方が合うこともあります。冷湿布はメントールの清涼感で効いている感じがすることがありますが、冷やす必要がない状態では、温めた方が楽に感じる方もいます。

④カイロ・温熱シートの使い方と注意点

手軽に使えるカイロや温熱シートは外出先でも使えて便利ですが、使い方には注意が必要です。直接肌に当てると低温やけどのリスクがあるため、必ず衣類の上から使用してください。

就寝中の使用は避けるのが無難です。眠っている間は動けないため、同じ部位に長時間熱が当たり続けることになるためです。

⑤足湯

朝起きたときに膝が硬くてつらいという方には、足湯もおすすめです。40℃前後のお湯に足首から膝下を10分ほど浸けるだけで、膝周辺の血流が促されて朝の硬さが和らぎやすくなります。

洗面器やバケツで手軽に取り入れられるので、起床後すぐのルーティンとして続けやすいのも魅力です。

温めてはいけない状態とNG行動

温めることがよい効果をもたらしやすいのは、炎症が落ち着いた慢性期です。急性期に温めてしまうと、症状がかえって悪化することがあります。

どんな状態が「温めてはいけないタイミング」なのかを把握しておくことは、安全なセルフケアのうえでとても大切です。

炎症が強いときに温めると起きること

膝に熱感・腫れ・赤みがある状態で温めると、腫れや痛みが増すことがあります。炎症は体が修復しようとする反応ですが、そこに熱を加えると血流が増え、腫れや痛みが強く出てしまうことがあるのです。

「温めたら翌日膝がさらに腫れていた」という場合は、炎症期に温めてしまったサインかもしれません。まず冷やして腫れが落ち着いてから、温めを再開するようにしてください。

水が溜まっているときの注意点

膝に水が溜まっている状態も、温めるのは避けた方がよいです。膝の水腫とは、関節を包む滑膜という膜に炎症が起きて関節液が過剰に分泌された状態のことです。

この状態で温めると炎症がさらに促されて、水が増えてしまうことがあります。整形外科で水を抜いてもらっている方は、抜いた直後の温めも控えてください。状態が落ち着いてから再開するのが安全です。

生活の中で「膝を冷やさない」ための工夫

意識的に温める時間を作ることと同じくらい大切なのが、日常生活の中で膝を冷やさないようにすることです。気づかないうちに膝が冷えてしまいやすい場面はいくつもあります。

代表的なケースと対策を、ここで確認しておきましょう。

就寝中の冷え対策

夜寝ているあいだも膝が冷えやすいことがあります。特に夏のエアコンや秋冬の薄い布団で、朝起きたときに膝が固まっていることはありませんか。

もっとも手軽な対策はレッグウォーマーをつけて寝ることです。膝から足首をカバーできるタイプを選ぶとよいでしょう。夏のエアコンの冷気が膝に直接当たらないよう、座る場所や風向きを工夫するだけでも変わることがあります。

季節・天気と膝痛の関係

「雨が降る前から膝が重くなる」という経験はありませんか。これは気圧の変化と関係していると考えられています。気圧が下がることで体の痛みの感じ方が変わり、それが膝の重さや痛みとして感じられやすくなることがあります。

天気が崩れそうなタイミングで先回りして膝を温めておくと、症状を和らげやすくなることがあります。天気予報を活用しながら、膝の状態を先読みしてケアしてみましょう。

温めるだけでは限界?セルフケアで改善できる範囲

温めることは痛みを和らげる対症療法として有効なことがありますが、状態を安定させるためには温めだけでは足りない部分もあります。

温めを軸にしながら、組み合わせることで相乗効果が生まれる取り組みをご紹介します。ぜひ今日から少しずつ取り入れてみてください。

温めと運動療法(大腿四頭筋のトレーニング)を組み合わせる

変形性膝関節症による膝への負担を減らすうえで、筋力トレーニングはとても大切です。特に太ももの前側にある大腿四頭筋を鍛えることで、膝関節にかかる負荷を分散させることができます。

もっともおすすめのタイミングは入浴後です。筋肉が緩んだ状態では痛みが出にくく、取り組みやすいです。椅子に座ってゆっくり膝を伸ばして5秒キープするだけでも、毎日続けると変化につながることがあります。

体重管理と日常動作の改善

体重と膝への負荷は切り離せない関係にあります。体重が1kg増えると、歩行時に膝にかかる力は3〜4kg分も増えると言われています。逆に少し体重を減らすだけで、膝への負担は大きく変わります。

また、正座や和式トイレの使用は膝に大きな負担をかけます。できるだけ洋式に切り替えたり、床への立ち座りを減らしたりする工夫が、長期的には大きな差になります。

整体・専門ケアが助けになるケース

温めや運動をしっかり続けているのになかなか変化を感じられない、という方もいます。そういったケースでは、膝そのものだけでなく骨盤や股関節のバランスが影響していることもあります。

当院でも変形性膝関節症の痛みで来られた方に対して、骨盤や股関節のバランスという視点でアプローチすることがよくあります。

膝だけでなく骨盤・股関節のバランスが原因のことも

骨盤が傾いていたり股関節の動きに左右差があったりすると、歩くたびに膝の特定の部位に偏った負荷がかかり続けます。

特にO脚の傾向がある方は膝の内側に荷重が集中しやすく、軟骨がその部分だけ摩耗しやすくなります。こういった場合は膝だけをケアしていても負担のかかり方が変わりにくいことがあります。体全体のバランスを見直すことが、改善の助けになることがあります。

「温めても効果が出ない」とき何を見直すか

2〜3週間温めを続けても変化がない場合や、片膝だけに症状が続く場合は、一度専門家に相談してみることをおすすめします。初めは片膝だけだったけれど、かばっていたら両膝痛くなってきてしまったと慌てて当院に相談に来る方も少なくありません。

変形自体は加齢によるものなので残念ながら治りませんが、変形性膝関節症と診断されていても痛みは改善することはよくあります。

膝を温めることは、慢性期の痛みを和らげるうえで有効な手段です。ただし、炎症期との見極めを誤ると逆効果になることもあります。状態に合わせて温め方を選び、日常の冷え対策や運動と組み合わせることが大切だとわたしは考えています。

一人で悩み続けなくても大丈夫です。なかなか改善しないときは、ぜひお気軽にお声がけいただけたら嬉しいです。


院長:高木

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