
院長:高木お気軽にご相談ください!

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腕を上げる途中で肩にズキッと鋭い痛みが走る。着替えや洗濯物を干す動作で肩がひっかかる。夜中に肩の痛みで目が覚めてしまう。整形外科で「インピンジメント症候群」と言われたものの、聞き慣れない病名に戸惑っている方も多いのではないでしょうか。


湘南カイロ茅ヶ崎整体院の高木聖司です。この記事では、インピンジメント症候群が肩のどんな状態なのか、五十肩や腱板断裂とどう区別されるのか、治療をどう考えればよいのかをお伝えします。
病名の意味から診察で確認されること、手術の位置づけ、受診の目安まで順番に整理しました。当院での相談内容はインピンジメント症候群の症状別ページでも紹介しています。


病名の意味がわかるだけでも、肩の痛みへの不安は少し整理しやすくなります 焦らず一つずつ確認していきましょう
インピンジメントとは「衝突」や「挟み込み」という意味の言葉です。肩の中で何がどのように関係して痛みが出るのか、そして実際にどんな場面で気づきやすいのかを、順番に説明します。
肩は、腕の骨と肩甲骨が組み合わさった関節です。腕の骨を包むように、腱板(けんばん)と呼ばれる筋肉と腱の集まりがあり、腕を上げるときに関節を安定させています。
腱板の上には、クッションの役割をする滑液包(かつえきほう)という袋があります。腕を動かすたびに、これらが肩甲骨の肩峰(けんぽう)という出っ張りの下を通ります。
この通り道で腱板や滑液包に負担がかかり、炎症や痛みが出ている状態を、インピンジメント症候群と呼ぶことがあります。ただし「骨が挟んでいる」だけで説明できるとは限りません。
代表的なのは、腕を横や前から上げていく途中で痛みが出る症状です。おおむね60〜120度の範囲で強く痛み、それより高く上げると楽になることがあり、有痛弧(ゆうつうこ)徴候と呼ばれます。
悪化すると、肩のこわばりや力の入りにくさ、夜間の痛みを伴うこともあるとされています。髪を洗う、上着を羽織る、高い棚に手を伸ばすといった動作で気づく方が少なくありません。
痛む角度は大切な手がかりですが、それだけで病名が決まるわけではありません。同じような痛みでも別の状態のことがあるため、次の章で違いを整理します。出典:順天堂大学医学部附属順天堂医院
「どこが悪いからこうなった」と一つに決められないのが、肩の痛みの難しいところです。肩への負担と、肩の中の組織の状態、骨の形といった複数の要素が重なって起きると考えられています。
頭の上に腕を上げる作業が多い仕事や、テニス・水泳・野球のように腕を振り上げる動作を繰り返すスポーツでは、腱板や滑液包に負担がかかりやすくなります。
そこへ年齢による腱の変化や、疲れが抜けない時期の肩への負担が重なると、痛みが出やすくなることがあります。いつ頃から、どの動作で痛くなったかは、原因を考える大切な材料になります。
実際に、肩の痛みでテニスのサーブが打てなくなり、来院された方もいらっしゃいます。趣味や仕事を続けたい気持ちが強い方ほど、無理をして悪化させてしまうこともあります。
肩峰の形には個人差があり、骨の形が痛みに関係することはあります。しかし、同じ骨の形でも痛みが出る人と出ない人がいるため、骨の形だけで原因を決めることはできません。
猫背や巻き肩といった姿勢も、肩の動きに影響していることがあります。ただし、姿勢が悪いから必ず痛くなるわけではなく、複数の要素のうちの一つとして考えるのが現実的です。
「隙間を広げれば治る」「この筋肉を鍛えれば解決する」といった単純な説明には、注意が必要です。痛みが続くときは、自分で決めつけず、診察で状態を確認してもらうことをおすすめします。
インピンジメント症候群は、五十肩(肩関節周囲炎)や腱板断裂と症状が重なります。自分でどれか判断するのは難しいため、診察ではどのような点が確認されるのかを知っておくと安心です。
次の表は、あくまで傾向を示した目安です。実際には重なることも多く、症状だけで見分けることはできません。
| 状態 | よく見られる特徴 |
|---|---|
| インピンジメント症候群 | 腕を上げる途中の特定の範囲で痛む。上げきると楽になることがある |
| 五十肩 | 肩が固くなり、腕が上がりにくくなる。夜間の痛みも出やすい |
| 腱板断裂 | 腕を上げる力が入りにくい。外傷をきっかけに起きることもある |
国立病院機構の解説では、インピンジメント症候群は肩の外側から二の腕にかけての痛みや夜間痛が見られ、五十肩・腱板断裂・石灰沈着性腱板炎との区別が必要とされています。診断も一つの所見だけでは行わず、複数の所見を組み合わせるとされています。出典:国立病院機構 霞ヶ浦医療センター
整形外科では、いつから、どの動作で、夜間痛はあるかといった経過を聞いたうえで、腕が動く範囲や筋力を確認します。必要に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査が検討されます。
画像に写る変化の大きさと、痛みの強さが必ずしも一致するとは限りません。そのため、画像だけでなく診察の所見と合わせて判断されます。受診前に、困る動作を書き出しておくと伝えやすくなります。
たとえば「洗濯物を干すときに肩の外側が痛む」「寝返りで目が覚める」など、場面ごとに具体的に伝えると、診察での確認が進みやすくなります。病名を聞いたあとに聞き忘れたことがあれば、次の受診で質問して構いません。
治療は、痛みの強さや生活への影響、これまでの経過によって変わります。多くの場合、まず手術以外の方法から始めます。医療機関で行われる一般的な治療の考え方を説明します。
痛みが強い時期は、痛みを繰り返し起こす動作を一時的に減らします。その後、理学療法士などの指導のもとで、肩まわりの筋肉を使う運動を段階的に進める方法が行われます。出典:Shoulder & Elbow誌掲載の肩痛ガイドライン
運動の種類や強さは、痛み方や仕事、スポーツの内容によって異なります。自己流で強い負荷をかけると痛みが長引くことがあるため、運動の内容は診察で相談するのが安心です。
痛みが強いときは、消炎鎮痛薬の内服や湿布、肩峰下滑液包への注射が選択されることがあります。これらは主に痛みを和らげ、運動を進めやすくするために使われます。
薬の種類や量、注射の回数は、持病や体質によって変わります。処方された薬は、自己判断で中止したり量を変えたりせず、気になることがあれば処方した医師や薬剤師に相談してください。
「改善しなければ骨を削る手術」と聞いて、不安になる方もいます。肩峰下除圧術とは、肩峰の下の空間を広げる手術のことです。
国際的な診療ガイドラインでは、3か月を超えて続く外傷によらない肩峰下の痛みに対して、この手術に強く反対する推奨が示されています。痛みや機能、生活の質で十分な利点が確認されなかったためです。出典:BMJ診療ガイドライン
腱板が大きく切れているなど、手術が検討される状態もあります。除圧術を勧められたときは、診断の内容と他の選択肢について、遠慮なく主治医に質問してみてください。
痛みがあるときは、どこまで動かしてよいのか迷うものです。無理のない範囲での過ごし方と、早めに医療機関へ相談したい状態、当院で相談できることをまとめました。
腕を上げる途中で鋭い痛みが出る動作は、いったん回数を減らしてみましょう。重い物を高い位置へ持ち上げる、腕を伸ばし続ける作業を続けるといった動作は、特に負担になりやすいです。
痛みが落ち着いている範囲で、肩を軽くすくめてストンと落とすなど、ゆっくりした動きを試すのは問題ありません。痛みが強まる場合は中止し、強く押したり揉んだりするのも避けてください。
動かしてよいかの判断は、痛みの強さが目安になります。動かしている最中や、その後に痛みが強まる、翌日に響くといった場合は、運動量を減らし、続くようなら受診してください。
痛みが出ている間は、肩が痛い側を下にして長く横になると、夜間に痛みが強まりやすい方もいます。その場合は、上を向いて肩の下にタオルを折って入れたり、抱き枕に腕をのせたりして、肩への圧迫を減らす工夫もあります。
次のような場合は、様子を見ずに、できるだけ早く医療機関で診てもらってください。外傷後の急な症状や、感染・脱臼が疑われる状態は、早い評価が必要とされています。
病院で病名を聞いたあとも、湿布や痛み止めを使っているのに肩の痛みが残っている、夜中に目が覚める、という相談は少なくありません。そうした方に、当院でもご相談いただけます。
当院では、問診票とお話で症状の経過や困っている動作を伺い、触診で肩関節や肩甲骨、胸椎の動き、肩まわりの筋肉の硬さを確認します。痛みや動かしにくさの改善を目指します。
インピンジメント症候群は、肩を動かすときに腱板や滑液包に負担がかかり、痛みが出ている状態を指す病名です。腕を上げる途中の痛みが特徴的ですが、五十肩や腱板断裂と症状が重なるため、症状だけで自己判断することはできません。
ご自身でできるのは、いつから、どの動作で、夜間痛があるかを整理しておくことです。痛みの強い動作を一時的に減らし、外傷後の急な症状や発熱を伴う腫れがあるときは早めに受診してください。
診察を受けても痛みが残る、治療の進め方に迷うという方は、当院にもご相談ください。



