
院長:高木お気軽にご相談ください!

院長:高木お気軽にご相談ください!


夕方になると後頭部がズーンと重くなる、目の奥が痛い、首の後ろがガチガチ。そんな経験、最近増えていませんか?
首の後ろには、風池(ふうち)と天柱(てんちゅう)という2つのツボがあります。よく「同じ場所じゃないの?」と思われがちですが、実はそれぞれ異なる経絡に属する別々のツボで、得意とする症状にも違いがあります。
この記事では、正確な場所の見つけ方・症状別の使い分け・正しい押し方・そしてなぜ効くのかのメカニズムまで、鍼灸師・整体師の視点から詳しくお伝えします。


「どこを押せばいいかわからなくて、なんとなく首の後ろを押していた」という声をよく聞きます。場所の見つけ方から症状ごとの違いまで、この記事でしっかり整理しますね


首の後ろに隣り合って存在するこの2つのツボは、別々のものです。どちらも後頭部の髪の生え際付近にあり、セットで使われることの多いツボですが、それぞれ所属する経絡が異なるため、得意とする症状も少し違います。
「2つとも首の後ろのツボ」という点は同じでも、使い分けを知っておくことで体感が変わることがあります。まずは基本から確認しましょう。
首の後ろは、頭部への血流・神経・自律神経の通り道が集中している重要な場所です。
デスクワークやスマホの使いすぎで姿勢が前傾になると、この一帯の筋肉に過剰な緊張が生まれます。その結果、頭痛や首こり、眼精疲労、自律神経の乱れといった症状につながっていきます。
風池と天柱は、まさにその要所に位置しているため長年注目されてきたツボです。東洋医学でも、首や後頭部のケアで意識されることが多い場所です。
東洋医学では、体の中にエネルギー(気)が流れる経路を「経絡」と呼びます。
天柱は「足の太陽膀胱経(BL10)」に属し、背面から頭部にかけての気の流れを担います。一方で風池は「足の少陽胆経(GB20)」に属し、目や耳、側頭部など体の側面の経路と関係しています。
経絡が違うということは、働きかける方向性が少し異なるということ。この違いを把握しておくだけで、セルフケアの精度がぐっと上がります。


「なんとなく首の後ろを押している」という方は多いと思いますが、正確な位置かどうかで体感が大きく変わります。
まず基準となる「ぼんのくぼ」を探しましょう。後頭部の中央にある少しへこんだ部分のことで、指を当てるとすぐに確認できます。ここを起点にしてツボの位置を探していきます。
天柱は、ぼんのくぼから指2本分ほど外側に移動した場所にあります。
その位置には太い縦の筋肉(僧帽筋)があり、天柱はその外側のキワに位置しています。指で触れると硬さや張りを感じることが多く、押したときに首や後頭部にじんわり響く感覚があれば、そこが天柱の目安です。
天柱からさらに指1本分ほど外側にずらしたくぼみが風池です。
耳の後ろにある硬い骨(乳様突起)に向かって指を滑らせたとき、ちょうど沈み込むような場所が目安になります。天柱よりやや外側・斜め上方向に向けて押すと、頭全体にズーンと響く感覚を得られることがあります。
ステップで確認すると、初めての方でも見つけやすくなります。順を追って試してみてください。
沈み込んだくぼみが風池で、その少し内側の筋肉のキワが天柱です。押したときに「ズーンと響く」感覚があれば、位置を探す目安になります。左右で感じ方が違う方も多いので、焦らず探してみてください。


「どっちを押せばいいの?」という疑問は、施術の現場でも非常によく聞かれます。2つのツボは位置が近くて混同されやすいですが、得意とする症状に違いがあります。今どんな症状が主なのかを確認して、より的確なアプローチを選んでみましょう。
デスクワーク後の首の重さや、肩から頭にかけての引っ張られるような張り感が主な悩みなら、天柱を重点的に刺激しましょう。
天柱は筋肉のキワに近い位置にあり、僧帽筋や後頭下筋群の周辺のこわばりにアプローチしやすいツボです。首を動かすたびに突っ張る感じや、朝起きたときの首の重さにも使われます。
目の奥の痛みや頭が締め付けられるような頭痛、長時間のスマホやPC使用による眼精疲労には風池が向いています。
風池は神経・血管に近い位置にあり、自律神経の調整にも関わると考えられてきたツボです。不眠やめまいなど、自律神経系の症状に対して東洋医学の施術で長く使われてきた背景があります。
「どちらか一方しか押せない」わけではありません。
多くの方は首こりも頭痛も同時に抱えているため、両方のツボをセットで刺激するのが現実的です。天柱と風池は隣り合っているため、親指でまとめて押さえることもできます。迷ったらセットで試してみてください。


首から頭部にかけての不調に関わるツボとして、風池と天柱は長く使われてきました。東洋医学的にも現代の解剖学的な視点からも、首から頭部にかけての要所として意識されやすいツボです。主に期待できる症状を詳しく見ていきましょう。
頭痛には大きく分けて緊張型と偏頭痛があります。
首や後頭部の筋肉の緊張が関係して起こる緊張型頭痛には、天柱・風池への刺激が合うケースがあります。一方で、偏頭痛の場合は直接の刺激が逆効果になることもあるため、自分の頭痛がどちらのタイプか確認してから試すことが大切です。
長時間のデスクワークやスマホによる前傾姿勢が続くと、首まわりの筋肉が慢性的に緊張します。
天柱はこの首まわりの筋緊張を緩和する働きが期待できるツボです。肩から首にかけての重さが気になる方は、まず天柱から試してみましょう。
目の使いすぎと後頭部の緊張は、関係していることがあります。長時間の画面作業で後頭部の筋肉が緊張すると、目の疲れや後頭部の重さにつながることがあります。
風池はこの首から後頭部の緊張にアプローチできるツボとして知られており、目の奥の重さや疲れ目に使われてきました。
眠りが浅い、なかなか寝つけない、朝起きても疲れが取れない。そんな方の中には、自律神経の乱れが関係していることがあります。
風池は自律神経と関係が深いと考えられる部位に位置するため、不眠・めまい・だるさといった症状にも東洋医学の施術で使われてきた歴史があります。


場所がわかったら、次は正しい押し方を確認しておきましょう。押し方を間違えると効果が半減するだけでなく、不快感が出ることもあります。基本的なやり方と注意点をしっかり押さえてから、安全に試してみてください。
両手を後頭部に当て、頭を包み込むように持ちます。
そのまま両方の親指をツボの位置に当てて、ゆっくり頭を後ろに傾けながら親指で押し上げるイメージで刺激します。強さの目安は「痛気持ちいい」と感じる程度。5秒キープして離すのを3回繰り返すのが基本です。
押す前に後頭部を温めると、筋肉がほぐれてツボへの刺激が入りやすくなります。
お風呂上がりや蒸しタオルの後が特におすすめです。蒸しタオルは濡れたタオルをレンジで30〜40秒温めるだけで手軽に作れます。また、テニスボール2個をガムテープでつなぎ、あお向けで後頭部に当てて体重をかける方法も、一人でできるケアです。
さらに押しながらゆっくり深呼吸することで、リラックスしやすくなります。
強く長時間押し続けることは避けてください。
風池・天柱の周辺には大後頭神経や小後頭神経があり、深部には椎骨動脈なども走行しているため、過度な刺激を与えると逆効果になる可能性があります。押している最中にめまいや気分の悪さ、しびれを感じたらすぐに中止してください。妊娠中の方や血圧が極端に高い方も、事前に専門家へご相談することをおすすめします。


「なんとなく血行が良くなるから」で終わらせていませんか?実はもう少し具体的なメカニズムがあります。知っておくと、セルフケアの意味がより深く理解できます。後頭下筋群という筋肉のグループが鍵になっています。
後頭下筋群とは、頭蓋骨と第1・第2頸椎(首の上2つの骨)の間についている4つの深層筋のことです。
大後頭直筋・小後頭直筋・上頭斜筋・下頭斜筋の4筋からなり、頭部の細かい動きや姿勢の保持を担っています。そして、この筋群に近い位置に天柱と風池があります。
後頭下筋群が緊張・収縮すると、周囲の血流や神経の働きに影響することがあります。
さらに大後頭神経が刺激されやすくなり、後頭部から頭頂部にかけての鈍痛や締め付け感に関係することがあります。「目が疲れる→後頭部が重くなる→頭痛になる」という連鎖には、この筋群が深く関わっているケースがあります。
首の深部感覚は姿勢や視線の安定にも関わるため、ぼーっとする・めまいがするという症状ともつながることがあります。
天柱・風池への指での刺激は確かに有効です。ただし、後頭下筋群は体の深層にある筋肉です。
「押したらすぐ楽になるのに翌日には戻ってしまう」という方は多いですが、それはこの深層筋の緊張が残ったままになっているからかもしれません。
表層には届いても、指の力だけでは深部の緊張が十分にゆるみにくいケースがあります。セルフケアで対応できる範囲と、専門家によるアプローチが必要な範囲があることを知っておいてください。


セルフケアを試しても変化がない、あるいはむしろ症状が強くなるようなときは、体が別のサインを出しているかもしれません。
無理に続けるのではなく、一度立ち止まって状態を確認することが大切です。そのような場合の対処法について整理しておきましょう。
以下のような症状が出た場合は、ツボ押しをすぐに中止してください。
特に急激な激しい頭痛や視野の変化を伴う場合は、ツボ押し自体の問題ではなく、医療機関への相談を検討してください。
「週に2〜3回以上頭痛がある」「ツボを押しても翌日には元通りになる」「首の動きが制限されてきた」。そんな状態が続いているなら、専門家に一度見てもらうことを考えてもよいかもしれません。
整体や鍼灸では、後頭下筋群の深層や、第1・第2頸椎周囲の状態を見ながらケアしていきます。セルフケアと専門的なアプローチを組み合わせることで、改善のきっかけになることがあります。
当院でも、鍼灸師・整体師の視点から天柱・風池エリアの状態を丁寧に確認しています。「押してもすぐ戻る」という方ほど、深層へのアプローチが必要になることがあります。一人で抱え込まず、まずお気軽にご相談ください。
風池と天柱は、正しい場所・正しい方法で刺激することで、頭痛・首こり・眼精疲労・自律神経など幅広い症状への働きかけが期待できるツボです。
まずはセルフケアから試していただき、それでも変化が出にくいときは深層筋へのアプローチも視野に入れてみてください。
体の不調を「仕方がない」と思わないでほしいです。気になることがあれば、ぜひ一度ご相談いただければと思います。