
院長:高木お気軽にご相談ください!

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夜中に突然ふくらはぎが痛くて目が覚めた経験はありませんか。たまに起こる程度なら心配ないのですが、頻繁に繰り返す場合は体が何かのサインを出しているかもしれません。
一時的に足がつるのは、激しい運動をした後や冷房で体が冷えたとき、水分不足のときなどに起こります。思い当たる原因があって数日で落ち着くようなら様子を見ても大丈夫でしょう。ところが病気が原因の場合は生活習慣を変えていないのに症状が続いたり、以前より頻度が増えたりします。
週3回以上足がつる場合は、病気が隠れている可能性があるため医療機関への来院を検討しましょう。来院を検討すべき症状としては、以下のようなものがあげられます。
特に注意したいのは他の症状を伴っているケースです。こうした症状があれば病気が隠れている可能性があります。
病気が原因で足がつる場合の特徴的なサインは、何より頻度が高いことです。健康な人でも疲れたときや冷えたときに足がつることはありますが、せいぜい月に数回程度でしょう。ところが糖尿病や腎臓病などの病気があると週に何度もつるようになります。また朝起きたときに足がだるい、ちょっと歩くと休みたくなる、夜間の頻尿があるといった症状が一緒に現れることも多いです。
見分け方のポイントは、まず自分の生活を振り返ってみることです。運動をしたか、水分は足りていたか、体が冷えていなかったか。思い当たることがなく、それでも足がつる回数が増えているなら医療機関に相談しましょう。早めの来院が大切です。
足が頻繁につるとき、背景にはさまざまな病気が潜んでいる可能性があります。ここでは代表的な疾患を分類してご紹介します。
代謝異常の病気として糖尿病があげられます。高血糖が続くと体内の電解質バランスが崩れ、神経が過剰に興奮しやすくなります。喉の渇きや多尿、手足のしびれといった症状を伴うことが多いです。また肝硬変では血液中のアルブミンが低下し、電解質バランスが乱れて足がつりやすくなります。
血管の病気も見逃せません。下肢閉塞性動脈硬化症では足の動脈が狭くなり、血液の流れが悪くなります。歩いていると足が痛くなって休み休みでないと歩けない間欠性跛行という症状が特徴的です。下肢静脈瘤では静脈の血液がうっ滞し、足のだるさやむくみ、血管が浮き出るといった所見がみられます。
内分泌疾患では甲状腺機能低下症や副甲状腺機能低下症があります。これらの病気では代謝が落ちて血行不良や筋力低下が起こり、足がつりやすくなります。
腎臓や心臓の病気も原因になります。腎不全では特に人工透析を受けている方に多く、透析前後の電解質バランスの変動が影響します。心不全では全身の血行が悪くなり、足のむくみとともに足がつる症状が現れます。
神経筋疾患としては脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアがあります。脊髄神経が圧迫されると足がつりやすくなり、腰痛や歩行障害を伴います。また脳梗塞や脳腫瘍といった脳の病気でも神経系の異常から足がつることがあります。
その他、睡眠時無呼吸症候群では慢性的な睡眠不足と疲労から足がつりやすくなります。自律神経失調症やうつ病では交感神経が過度に緊張し、筋肉のけいれんを引き起こします。
薬剤の副作用も忘れてはいけません。利尿薬、降圧剤、高脂血症の薬、抗がん剤、ホルモン剤などを服用している方は足がつりやすくなることがあります。
病気が原因で足がつる場合、他にもさまざまな症状が現れます。これらのサインに気づくことが早期発見につながります。
| 病気 | 伴う主な症状 |
|---|---|
| 糖尿病 | 喉の渇き、多尿、手足のしびれ、疲労感 |
| 下肢閉塞性動脈硬化症 | 間欠性跛行(休み休みでないと歩けない)、足の冷感 |
| 下肢静脈瘤 | だるさ、むくみ、血管の浮き出し |
| 腎疾患 | むくみ、尿の異常(色が濃い、泡立つ) |
| 脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニア | 腰痛、歩行障害、お尻から足のしびれ |
| 脳梗塞 | 片方の手足の麻痺、言葉のもつれ、顔のゆがみ |
糖尿病では喉の渇き、多尿、手足のしびれ、疲労感が典型的です。食事をしてもすぐにお腹が空く、傷が治りにくいといった症状も伴います。血糖値が高い状態が続くと神経障害が進み、足がつる頻度も増えていきます。
下肢閉塞性動脈硬化症では休み休みでないと歩けない間欠性跛行が特徴的で、足の冷感も強く感じます。ひどくなると安静時でも足が痛むようになります。
下肢静脈瘤ではだるさやむくみ、血管が浮き出て見えることが多いです。夕方になると足が重く感じたり、皮膚に色素沈着が起こったりすることもあります。
腎疾患ではむくみと尿の異常が重要なサインです。朝起きたときに顔や足がむくんでいる、尿の色が濃い、泡立ちが消えない、こうした変化があれば注意が必要でしょう。
脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアでは腰痛と歩行障害が主な症状です。前かがみになると楽になる、長時間立っていられない、お尻から足にかけてしびれがあるといった特徴があります。
脳梗塞では片方の手足の麻痺、言葉のもつれ、顔のゆがみが急に現れます。これらの症状が出たらすぐに救急車を呼ぶ必要があります。
このように足がつる症状に他の症状が伴っている場合は、何らかの病気が隠れている可能性が高いです。自分の体の変化に敏感になり、気になることがあれば早めに医療機関に相談しましょう。
足がよくつる症状で医療機関を訪れようと思っても、何科に行けばいいのか迷う方は多いでしょう。伴っている症状によって適切な診療科が変わってきます。
| 診療科 | 適している症状・疑われる病気 |
|---|---|
| 内科・循環器内科 | 喉の渇き、疲労、手足のしびれ / 糖尿病、高血圧、心臓病、甲状腺疾患 |
| 整形外科 | 腰痛、歩行障害 / 脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア |
| 血管外科 | 足のだるさ、血管の浮き出し / 下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症 |
| 神経内科 | 手足のしびれ、麻痺、言葉のもつれ / 脳梗塞、神経疾患 |
まず喉が渇きやすい、疲れやすい、手足のしびれがあるといった場合は内科や循環器内科が適しています。糖尿病や高血圧、心臓病、甲状腺疾患といった全身性の病気が疑われるためです。血液や尿の詳しい検査を受けられます。
腰痛や歩行障害を伴っている場合は整形外科を選びましょう。脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアといった骨や神経の問題が原因かもしれません。レントゲンやMRIなどの画像診断で状態を確認できます。
足のだるさや血管の浮き出しがある場合は血管外科が専門です。下肢静脈瘤や閉塞性動脈硬化症といった血管の病気を診てくれます。血管エコーなどの検査で血液の流れを詳しく調べられます。
手足のしびれや麻痺、言葉のもつれを伴う場合は神経内科を受診してください。脳や神経系の病気が隠れている可能性があります。特に突然症状が現れた場合は緊急性が高いため、すぐに来院が必要です。
かかりつけ医がいる場合はまずそこで相談するのがおすすめです。日頃の健康状態を把握している医師なら、適切な専門医を紹介してくれるでしょう。どこに行けばいいかわからないときは、まず内科を訪れて相談してみてください。
大切なのは症状を我慢せず早めに来院することです。足がつるだけだからと軽く考えず、頻繁に起こる場合や他の症状を伴う場合は必ず医療機関で診てもらいましょう。
医療機関を訪れると、まず問診から始まります。足がつる頻度や時間帯、どんなときに起こるか、他にどんな症状があるか、現在服用している薬、普段の生活習慣などを詳しく聞かれます。この問診が原因を探る重要な手がかりになるため、できるだけ正確に伝えましょう。
次に行われるのが血液検査です。血糖値や尿糖を調べて糖尿病の有無を確認します。電解質ではカリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウムの値を測定し、バランスが崩れていないか見ます。肝機能や腎機能の数値も重要です。甲状腺ホルモンの検査で内分泌疾患がないかも調べられます。
尿検査では尿糖や尿タンパクの有無を確認します。腎臓の機能に問題がないかを判断する材料になります。
画像検査としては心電図で心臓の状態を調べます。不整脈や心臓の負担がないか確認できます。心臓エコーや腹部エコー、血管エコーは必要に応じて実施され、心臓や血管の状態を詳しく観察できます。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、専門の検査を受けることもあります。夜間に呼吸が止まっていないか、睡眠の質はどうかを調べます。
大切なのは、これらの検査をすべてまとめて行うわけではないということです。問診と診察の結果から可能性の高いものから順番に検査を進めていきます。無駄な検査を避け、効率的に原因を特定するためです。
検査結果が出るまでに数日から1週間ほどかかることもあります。結果をもとに適切な対応や施術方針が決まりますので、医師の説明をしっかり聞いて、わからないことがあれば遠慮なく質問しましょう。
病気が原因でなくても、生活習慣を見直すことで足がつる症状を減らせます。まず大切なのは水分補給です。1日2リットルを目安に、こまめに水を飲みましょう。特に寝る前にコップ1杯の水を飲むと夜間の足のつりを予防できます。ただし糖尿病の方がスポーツドリンクを多飲すると血糖値が上がってしまうため、自己判断での多飲は避けてください。
体を温めることも効果的です。湯船にゆっくり浸かると血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれます。冷房が効いた部屋では靴下やレッグウォーマーを使って足を冷やさないようにしましょう。適度な運動とストレッチも大切です。ウォーキングや階段の昇降など、無理のない範囲で体を動かすと筋力が維持されます。
栄養バランスの改善も忘れてはいけません。足がつるのを防ぐために摂りたい栄養素は以下のとおりです。
医療機関での施術としては、原因となっている病気があればその対応を行います。症状を和らげるために漢方薬の芍薬甘草湯や筋弛緩薬が処方されることもあります。
注意したいのは自己判断での対応です。利尿薬を服用している方が自己判断で薬を中止すると、元の病気が悪化する可能性があります。薬の副作用が疑われる場合は必ず医師に相談してください。
足がつるのは体からのサインです。生活習慣を見直しながら、症状が続く場合は早めに専門家に相談しましょう。適切な対応と予防で、つらい症状から解放されることができます。
足がよくつる症状は、一時的なものであれば心配ありませんが、週3回以上頻繁に起こる場合や他の症状を伴う場合は病気が隠れている可能性があります。糖尿病、腎臓病、甲状腺機能異常、下肢静脈瘤、脊柱管狭窄症、脳梗塞など、さまざまな疾患が原因となることがあります。
伴っている症状によって適切な診療科が異なるため、喉の渇きや疲労感があれば内科、腰痛があれば整形外科、血管の浮き出しがあれば血管外科、手足のしびれがあれば神経内科を受診しましょう。病院では問診、血液検査、尿検査、画像検査などを通じて原因を特定していきます。
病気が原因でない場合でも、水分補給、体を温める、適度な運動、栄養バランスの改善といった生活習慣の見直しで症状を減らせます。自己判断での対応は避け、症状が続く場合は早めに医療機関に相談することが大切です。
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引用元一覧:
https://www.healthcare.omron.co.jp/cardiovascular-health/stroke/column/preventing-chronic-leg-cramps.html
https://tanno-naika.jp/blog/post-860/
https://medical-b.jp/topics/topics-20250526