
院長:高木お気軽にご相談ください!

院長:高木お気軽にご相談ください!


前腕の内側が痛むとき、多くの方が感じる症状には特徴的なパターンがあります。肘の内側から手首にかけて、ズキズキとした痛みやじんわりとした違和感が現れることが多いです。朝起きたときに手に力が入りにくい、握力が弱くなった気がするといった筋力低下を感じる方もいらっしゃいます。
さらに、指先までしびれが広がるケースでは、神経が関与している可能性も考えられるでしょう。痛みの強さは人それぞれで、最初は軽い違和感程度だったものが、放置することで徐々に悪化していくこともあります。
日常生活で前腕内側の痛みを感じやすいのは、手や手首を使う動作を行うタイミングです。以下のような動作で痛みが出ることが多くあります。
前腕内側の痛みは、思っている以上に生活の質を低下させます。料理をする際に包丁が握れない、洗濯物を干すときに痛みで作業が進まないなど、家事に支障をきたす方が多いのです。
趣味のテニスやゴルフが楽しめなくなったり、仕事でパソコン作業が辛くて集中できなかったりと、活動範囲が狭まってしまうこともあります。痛みをかばって反対側の腕ばかり使うようになると、今度は反対側にも負担がかかり両腕が痛くなるという悪循環に陥る場合もあるでしょう。
#前腕内側の痛み #ゴルフ肘 #日常生活への影響 #手首を使う動作 #筋力低下
前腕の内側が痛む原因で最も多いのが、内側上顆炎です。別名ゴルフ肘とも呼ばれていますが、ゴルフをしない方でも発症します。肘の内側には手首や指を曲げるための前腕屈筋群という筋肉がついており、この筋肉を繰り返し使うことで腱に炎症が起きるのです。
デスクワークでマウスを操作し続けたり、重いものを持つ機会が多かったりすると、気づかないうちに負担が蓄積されていきます。40〜50歳代の方に多く見られる傾向があるでしょう。
前腕の内側を通る正中神経が、円回内筋という筋肉に圧迫されることで起こるのが円回内筋症候群です。この状態になると、肘の内側だけでなく親指から薬指の手のひら側にかけてしびれが広がることがあります。
長時間のスマートフォン操作や、手首を内側にひねる動作を頻繁に行う方に起こりやすいと考えられています。朝起きたときに手がこわばる、細かい作業がしづらいといった症状が出る場合もあるのです。
肘の内側にある肘部管というトンネル状の空間で、尺骨神経が圧迫されて起こるのが肘部管症候群です。小指や薬指の外側にしびれが出るのが特徴で、前腕の内側にも痛みを感じることがあります。肘を曲げた状態で長時間過ごすと症状が悪化しやすく、デスクワークやスマートフォンの使いすぎが原因になるケースも少なくありません。
前腕内側の痛みには、腱鞘炎や筋膜の癒着といった原因も考えられます。繰り返し同じ動作を行うことで腱と腱鞘の間に炎症が起き、動かすたびに痛みが走るようになります。また、まれではありますが疲労骨折の可能性もあるため、強い痛みが続く場合は専門機関への来院を検討してみてください。
| 疾患名 | 主な症状 | しびれの場所 |
|---|---|---|
| 内側上顆炎(ゴルフ肘) | 肘の内側の痛み、握力低下 | 基本的になし |
| 円回内筋症候群 | 前腕内側の痛み、手のこわばり | 親指〜薬指の手のひら側 |
| 肘部管症候群 | 肘・前腕内側の痛み | 小指・薬指の外側 |
#内側上顆炎 #円回内筋症候群 #肘部管症候群 #前腕屈筋群 #正中神経圧迫
前腕内側の痛みがどこから出ているのか、まずは場所を確かめてみましょう。肘の内側を指で軽く押してみて、ピンポイントで痛みを感じる場合は内側上顆炎の可能性が考えられます。痛みが肘だけでなく前腕全体に広がっているなら、筋肉の疲労や炎症が進んでいるかもしれません。
さらに手のひらや指先までしびれや違和感が広がっている場合は、神経が圧迫されている状態を疑う必要があるでしょう。親指から薬指側にしびれがあれば正中神経、小指側なら尺骨神経が関係している可能性があります。
どんな動きで痛みが出るかをチェックすることも大切です。肘を伸ばして手のひらを上に向けた状態で、誰かに手を押さえてもらいながら手首を曲げようとすると、肘の内側に痛みが走るなら内側上顆炎が疑われます。
ペットボトルの蓋を開けるときやドアノブを回すとき、手首をひねる動作で痛みが強くなることもあります。握力を測るように強く握ってみて、以前より力が入らない感覚があれば筋力低下が起きているサインです。
前腕内側の痛みに加えて、指先のしびれや感覚の鈍さを感じることはありませんか。物に触れたときの感覚がいつもと違う、手袋をしているような感じがするといった症状は、神経の圧迫を示している場合があります。朝起きたときに手がこわばって動かしづらい、夜中にしびれで目が覚めるようなら、早めに専門家に相談したほうがよいでしょう。
以下のような症状がある場合は、医療機関への来院を検討してください。
早めの対応が、症状の悪化を防ぐ鍵になります。
#セルフチェック #痛みの部位確認 #しびれの症状 #動作テスト #来院のタイミング
前腕の内側に急な痛みが出たときは、まず安静にすることが大切です。痛みを我慢しながら無理に動かし続けると、炎症が悪化する可能性があります。痛みが強い場合は、氷水や保冷剤をタオルで包んで患部を15分程度冷やしてみましょう。
アイシングは炎症を抑える助けになると考えられています。重いものを持つ動作やタオルを絞る動作など、痛みが出やすい動きは控えめにして、筋肉や腱への負担を減らすことが改善への第一歩です。
痛みが落ち着いてきたら、前腕屈筋群のストレッチを取り入れてみてください。痛みがある腕を肘を伸ばしてまっすぐ前に出し、手のひらを外側に向けて指先を下に向けます。反対の手で手のひら側から手前に引いて、前腕の内側が気持ちよく伸びている感覚があるところで5〜30秒キープしましょう。作業やスポーツの後に行うと、筋肉にかかる負担を和らげる効果が期待できます。
肘の内側から手首にかけて、やさしく円を描くようにマッサージするのもよいでしょう。円回内筋のあたりを指で軽く押しながらほぐすことで、筋肉の緊張が緩和される場合があります。強く押しすぎると逆効果になるため、痛気持ちいい程度の力加減を心がけてください。
肘ベルトや専用のサポーターを肘の少し下に巻くことで、痛みの緩和や負担の軽減につながる可能性があります。筋肉を圧迫することで、炎症が起きやすい腱への負荷を減らす仕組みです。予防のために使用するのも効果的でしょう。
デスクワークではキーボードやマウスの位置を調整して、手首が自然な角度になるよう意識してみてください。スマートフォンを片手で長時間持つのを避け、両手で操作する習慣をつけるのもおすすめです。姿勢を整えて作業動作を見直すことが、前腕への負担軽減につながります。
| 対処法 | 実施タイミング | 期待される効果 |
|---|---|---|
| 安静・アイシング | 急性期(痛みが強いとき) | 炎症を抑える |
| ストレッチ | 痛みが落ち着いた後 | 筋肉の柔軟性向上 |
| サポーター | 日常生活・作業時 | 負担軽減・予防 |
| 姿勢改善 | 常時 | 再発防止 |
#急性期の対処 #前腕屈筋群ストレッチ #サポーター活用 #アイシング #姿勢改善
前腕内側の痛みを繰り返さないためには、作業前後のストレッチを習慣にすることが重要です。デスクワークやスポーツの前に軽く前腕を伸ばしておくと、筋肉が温まって負担がかかりにくくなります。作業が終わった後も同じように5〜30秒ほどストレッチすることで、筋肉の疲労を和らげる効果が期待できるでしょう。1時間に一度は手首を回したり、前腕を伸ばしたりする時間を作ってみてください。
デスクワークではキーボードの高さを調整して、肘が90度くらいになるように座る位置を工夫しましょう。手首が反ったり曲がったりしない自然な角度をキープすることが、前腕への負担を減らすコツです。
スマートフォンを使うときは、片手で長時間持ち続けるのではなく、机に置いたり両手で操作したりする方法に切り替えてみてください。姿勢が悪いと腕だけでなく肩や首にも負担がかかるため、背筋を伸ばして作業することを意識しましょう。
軽いダンベルや500mlのペットボトルに水を入れて、手首の曲げ伸ばし運動を行うのもよいでしょう。前腕の筋肉を適度に鍛えることで、日常動作での負担に耐えられる体づくりができます。無理のない範囲で少しずつ回数を増やしていくのがポイントです。
同じ動きを繰り返すと、特定の筋肉や腱に負担が集中してしまいます。テニスやゴルフなどのスポーツをする場合は、合間に休憩を挟んでください。仕事で手作業が多い方は、タイマーをセットして定期的に別の作業に切り替えるなど、工夫してみるとよいでしょう。
セルフケアを続けても痛みが引かない場合は、専門機関での検査が必要かもしれません。理学療法や物理療法といった施術方法が選択肢として考えられます。状況によっては薬物療法や注射、手術といった方法が提案される場合もあるため、早めに来院して相談することをおすすめします。
#予防法 #ストレッチ習慣 #姿勢改善 #筋力トレーニング #再発防止
前腕の内側に痛みを感じる場合、内側上顆炎(ゴルフ肘)、円回内筋症候群、肘部管症候群など、いくつかの原因が考えられます。日常生活でよく手や手首を使う方、デスクワークやスマートフォンの使用時間が長い方は特に注意が必要です。
痛みが出た場合は、まず安静とアイシングで炎症を抑えることが大切です。痛みが落ち着いてきたら、前腕屈筋群のストレッチを取り入れ、サポーターを活用しながら日常生活での姿勢や動作を見直しましょう。
予防のためには、作業前後のストレッチ習慣を身につけ、手首や肘に負担をかけない姿勢を保つことが重要です。適度な筋力トレーニングで前腕の筋肉を強化し、長時間の同一動作を避ける工夫も効果的でしょう。
もし2週間以上痛みが続く、しびれが広がる、日常生活に支障が出ているといった場合は、早めに医療機関を来院して専門的な検査を受けることをおすすめします。早期の対応が、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻す鍵となります。