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事故後のめまいは何科に行くべき?症状別の受診先と注意点

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事故のあと、数日経ってから急にめまいが出てきた…そんな経験はありませんか。

追突されたときは「たいしたことなかった」と思っていたのに、翌朝起き上がったら天井がぐるぐると回り始めた。そんなことは決して珍しくありません。

「整形外科には行ったのに、めまいがちっとも落ち着かない」「脳や耳に何か問題があるんじゃないか」と不安になっている方も多いと思います。

このページでは、事故後にめまいが出たときにどの科を選べばよいのかを、症状のタイプ別に整理してお伝えします。来院先の選び方から保険・記録のこと、セルフケアまで順を追って解説していきますね。

院長:高木

事故後のめまいは、原因によって来院すべき科がまったく違ってきます。「どこに行けばいいかわからない」という焦りはよくわかりますが、まず自分のめまいがどのタイプかを知ることが、いちばんの近道になります

目次

事故後のめまい、まず確認すべき「緊急サイン」

めまいが出たとき、最初に判断しなければならないのは「今すぐ救急に行くべきかどうか」ということです。事故後のめまいには脳や神経に関わるケースも含まれることがあります。症状によっては一刻を争うことがあるため、まずここを確認することが重要です。

今すぐ救急へ行くべき症状チェックリスト

次のような症状が出ている場合は、ためらわずに119番を呼ぶか、すぐに救急外来へ向かってください。

  • これまで経験したことがないほど激しい頭痛が突然始まった
  • 手足や顔にしびれ・麻痺がある
  • 呂律が回らない、言葉がうまく出てこない
  • 意識がぼんやりする、突然倒れた
  • 激しい嘔吐とめまいが同時に起きている

たとえば、事故から数時間後に猛烈な頭痛が始まって嘔吐した場合は頭蓋内出血などの可能性があります。こういった症状は迷わず救急へ。

緊急性が比較的低い症状の目安

一方で、次のような特徴がある場合は、翌日以降の通常外来で対応できることが多いです。

頭を動かしたときだけぐるぐるして、安静にしていると落ち着く。吐き気はあっても嘔吐はない。手足のしびれや言語障害はない。こうした特徴がそろっているなら、内耳が関係するめまいの可能性があります。

ただし「緊急性が比較的低い」はあくまでも目安です。少しでも不安があれば、早めに専門の科に来院することをおすすめします。

事故後めまいは「何科」に行けばいい?答えは症状で決まる

「耳鼻科か脳神経外科か、どちらに行けばいいの?」というのは、事故後のめまいで最も多い疑問のひとつです。答えはシンプルで、めまいの「タイプ」によって来院先が決まります。自分の症状がどのカテゴリに近いかを確認してみてください。

回転性のめまい(ぐるぐる)→ 耳鼻咽喉科

頭を動かしたときや体の向きを変えたとき、視界がぐるぐると回る感覚があるなら、まず耳鼻咽喉科(耳鼻科)への来院を優先してください。

このタイプは「回転性めまい」と呼ばれ、内耳の異常が原因であることが多いです。代表的なのが「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」です。

事故の衝撃で内耳の耳石がはがれ、三半規管に入り込むことで起きることがあります。寝返りのたびに強いめまいが出る、起き上がるときだけぐるぐるするという方に多いパターンです。

耳鼻科では平衡機能の検査や眼振の観察を行い、BPPVなら「エプリー法」という耳石を症状が出にくい位置へ動かす手技で改善をはかることができます。

ふわふわ・立ちくらみ → 脳神経外科・神経内科

視界が回るというよりも「ふわふわする」「立ち上がると頭がくらっとする」という感覚なら、脳神経外科または神経内科への来院が適しています。

MRIやCT検査で脳の血管や神経に問題がないかを確認することが重要です。「ふわふわ感が続いている」「頭が重くて集中できない」という方は、一度は脳神経外科に来院しておくことが安心につながります。

首の痛みと同時に出ている → 整形外科への並行来院

首のこりや痛みがめまいと同時に出ている場合は、頸椎(首の骨)への衝撃が影響している可能性があります。耳鼻科や脳神経外科に加えて、整形外科への並行来院も選択肢に入れてみてください

ただし、整形外科の画像検査だけで「異常なし」とされることも多く、めまいの原因が見落とされることがあります。後ほど詳しく解説しますが、めまいの原因がMRIに映らないケースは少なくありません。

判断できない場合のファーストチョイス

「回転性なのかふわふわなのか、自分ではよくわからない」という方には、まず脳神経外科への来院を最初のステップにすることをおすすめします。

脳の器質的な問題(出血や腫瘍)を最初に除外しておくことで、その後の方針が立てやすくなります。脳に異常がなければ、次のステップとして耳鼻科での平衡機能検査に進む流れが最も効率的です。

事故後にめまいが起きる「3つの原因」

「なぜ事故でめまいが出るの?」という疑問を持つ方は多いです。実は事故後のめまいには大きく3つのパターンがあります。それぞれ原因が異なるため、どのパターンに当てはまるかによって適切な来院先や検査の内容も変わります。ぜひ確認してみてください。

① 良性発作性頭位めまい症(BPPV):耳石がはがれて起きる

内耳には「耳石」と呼ばれる小さな結晶があります。これが事故の衝撃によって本来の場所からはがれ落ち、三半規管に迷い込むことでBPPVが起きることがあります。

三半規管はバランスを感知する器官です。そこに余計なものが入り込むと、誤った情報を脳に送ってしまい、めまいが生じます。

特徴は「特定の頭の動きで誘発される」こと。寝起き・寝返り・上を向いたとき・前かがみのとき、体の向きが変わるたびにぐるぐる感が出るのが典型例です。「起き上がるたびに天井が回る」という方にはこのBPPVが疑われることがあります。

② バレ・リュー型むち打ち:後部交感神経が関係することがある

むち打ちの中で、めまい・耳鳴り・頭痛などを伴うタイプとして「バレ・リュー症候群」と呼ばれるものがあります。首の後ろを通る「後部交感神経」が刺激を受けることで関係すると考えられています。

この神経は椎骨動脈の周囲にも関係しており、血流や自律神経の調整に影響する可能性があります。その結果、慢性的なめまい・耳鳴り・頭痛につながることがあります。

「ずっとふわふわしている」「頭が重い」「乗り物酔いのような感覚が続く」という方はこのタイプかもしれません。MRIやCTには映りにくいため、「検査で異常なし」と言われやすいのが難しいところです。

③ 自律神経の乱れ:首への衝撃が引き金になるケース

首には自律神経に関わるルートが集まっています。事故の衝撃が首に加わると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることがあります。

「事故後から眠れなくなった」「疲れやすくなった」という変化と一緒にめまいが出ている場合、自律神経の乱れが関係している可能性があります。この場合、内耳にも脳にも明確な異常が見つからないことが多いです。

「検査で異常なし」と言われたのにめまいが続く理由

病院でMRIやレントゲンを撮ったけれど「異常なし」と言われた。それでもめまいはまったく改善しない。そういう経験をされた方も少なくないと思います。「気のせいなのか」と感じてしまうかもしれませんが、これには理由があります。

むち打ち型めまいはMRI・CTに映りにくいことがある

MRIやCTが得意とするのは、脳の血管の異常・腫瘍・骨折といった「形として見える変化」です。バレ・リュー型のむち打ちによるめまいは神経や血流の機能的な問題が関係していると考えられるため、画像には映りにくいことがあります。

つまり「画像で異常なし=めまいの原因がない」というわけではないのです。

「異常なし」で来院を終わりにしてしまうことが、症状の慢性化につながることもあります。続いているなら、別のアプローチで原因を探ることが大切です。

平衡機能検査(カロリックテスト)を受けたほうがよい理由

内耳の機能を調べるためには、耳鼻科で行う「平衡機能検査」が有効です。代表的なのが「カロリックテスト」で、外耳道に温水・冷水を流して内耳の反応を確認します。「重心動揺検査」というバランス能力を数値化する検査も、原因特定に役立ちます。

MRIで異常なしと言われた後でも、平衡機能検査では明確な異常が見つかるケースがあります。事故後のめまいが続いているなら、耳鼻科での平衡機能検査を受けてみることを検討してみてください。

事故後のめまいが続く期間の目安

「このめまい、いつまで続くんだろう」という不安は、事故後にめまいが出た方なら誰もが感じることだと思います。原因や重症度によって回復にかかる期間は大きく変わるため、ここでは参考として3つのパターンをご紹介します。

軽度の場合(2〜4週間)

BPPVによる比較的軽いめまいの場合、耳鼻科での耳石置換法(エプリー法)で症状が落ち着くことが多いです。自然に耳石が症状の出にくい位置へ移動することもあり、2〜4週間で改善するケースが見られます。

中度の場合(1〜3か月)

バレ・リュー型むち打ちや自律神経の乱れが関与している場合、1〜3か月ほどかかることがあります。日常生活には戻れるけれど、疲れると症状が出る・仕事中に集中力が続かないという状態が続くケースです。

この段階では、来院と並行して生活習慣の見直しや頸椎へのケアが重要になってきます。

重度・後遺症化した場合(3か月以上)

3か月を超えてもめまいが続く場合、後遺障害として認定される可能性が出てきます。平衡機能の低下が関わる後遺障害では12級や14級が検討されることがあり、適切な医療記録と検査結果があることが認定のカギになります。

この段階まで来ている方は、早めに医師に相談しながら症状を記録しておくことが非常に大切です。

来院時に絶対やっておくべきこと(保険・記録)

来院先の科を選ぶことと同じくらい重要なのが「記録を残すこと」です。症状の記録が不十分だと、後から保険の対応が難しくなったり、後遺障害の認定に影響が出たりすることがあります。後悔しないために、以下の点を確認しておいてください。

整形外科以外に来院する前に主治医に伝えること

交通事故の場合、整形外科が主治医になっているケースが多いです。耳鼻科や脳神経外科にも来院したい場合は、事前に主治医に相談し、紹介状を依頼するか「他の科にも来院すること」を伝えておくことが大切です。

保険会社への報告もあわせて行うと、費用のカバー範囲に関するトラブルを避けやすくなります。

診断書・症状記録の残し方

日ごとの症状をメモに残しておくことを強くおすすめします。記録すべき内容は「日付」「めまいが起きたタイミング」「持続時間」「強さ(10段階)」「その日の体調」です。

「事故から3日後の朝8時、起き上がったときに強いぐるぐるが5秒ほど続いた(強さ8/10)」というように具体的に記録しておくと、医師への説明が明確になります。それが適切な検査につながりやすくなります。

後遺障害認定につなげるための来院の流れ

後遺障害の認定を視野に入れるなら、症状が3か月以上続く時点で医師に「症状固定」について確認することが必要です。耳鼻科で行った平衡機能検査の結果を医師の書類に含めてもらうことで、後遺障害の証明としての力が高まります。

「病院で証明できるものが何も残っていない」という状態を避けるためにも、早めに専門の科で検査を受けておくことが重要です。

自分でできる応急ケアと日常生活の注意点

来院するまでの間や、施術を受けながら日常生活を送る中で、自分でできることも知っておくと安心です。ただし症状が強い急性期には無理をせず、まずは安静を優先してください。焦らず少しずつ取り組むことが回復への近道です。

急性期(発症直後〜1週間)のセルフケア

発症から1週間ほどの急性期は、首を急に回したり素早く頭を動かしたりすることを避けてください。めまいが起きやすい動作(起き上がり・寝返り・上を向く)はゆっくり行うことが基本です。

転倒リスクもあるため、段差のある場所や混雑した場所での移動には十分注意が必要です。BPPVの場合、自己流でエプリー法を試すと、正しく行えずに症状が強くなることもあります。まずは耳鼻科か専門のスタッフに確認してもらってください。

回復期に効果的な生活習慣の見直し

急性期を過ぎたら、自律神経を整えることを意識した生活習慣が回復をサポートします。睡眠の時間を一定に保つこと、カフェインやアルコールを控えること、スマートフォンを長時間見続ける姿勢を減らすことが基本です。

軽いウォーキングは血流の改善と自律神経の安定に効果が期待できます。めまいが落ち着いてきた回復期から少しずつ取り入れてみてください。体の声を聞きながら焦らず進めることが大切です。

めまいが長引いている場合に整体・カイロを検討すべきタイミング

病院での検査で「異常なし」と言われたのにめまいが続いている。薬を飲んでいるけれど効果を感じられない。そういった方にとって整体やカイロプラクティックという選択肢が検討されることがあります。どのようなタイミングで、どういった考え方でアプローチするのかをご紹介します。

病院でのアプローチと組み合わせて効果を出す考え方

整体やカイロプラクティックは、病院での検査に代わるものではありません。あくまでも「脳・耳に問題なし」という確認が取れてから、補完的な選択肢として考えていただくのが適切な流れです。

病院でめまいの緊急性が除外され、それでもむち打ちや頸椎の問題が残っていると考えられる場合に、カイロプラクティックによるアプローチが改善へのひとつの道になることがあります。

首・頸椎へのアプローチがめまいに関係する理由

カイロプラクティックの考え方では、上部頸椎(C1・C2)周辺のバランスが椎骨動脈や交感神経に影響し、内耳の血流や自律神経の乱れに関係するケースがあると考えることがあります。

首の骨格のバランスが崩れたままになっている場合、薬や安静だけでは症状が続くことがあります。頸椎のアライメントを整えることで神経や血流への負担を減らし、めまいや自律神経の乱れの軽減を目指します。

当院でも、事故後のめまいや首の不調でお悩みの方からのご相談を多くいただいています。「病院で異常なしと言われたのにめまいが続いている」「薬だけではなかなか改善しない」という方は、一度ご相談いただけたらと思います。

事故後のめまいは、適切な来院先と適切なケアを組み合わせることで、少しずつ改善に向かっていきます。まずは自分のめまいがどのタイプかを確認するところから始めてみてください。


院長:高木

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