
院長:高木お気軽にご相談ください!

院長:高木お気軽にご相談ください!


左の鼠径部に痛みが出ると心配になりますよね。鼠径部とは太ももの付け根部分のことで、下腹部と太ももをつなぐ大切な場所です。この部分には多くの血管やリンパ節、神経が通っており、体の動きを支える重要な役割を担っていると考えられています。
股関節と密接な関係があるため、日常生活のあらゆる動作に関わっているんです。歩く、走る、階段を昇るといった動きはもちろん、座った姿勢から立ち上がるときにもこの部分が使われます。特に左側だけに痛みが出る場合は、体のバランスや姿勢の崩れが関係している可能性があるでしょう。
痛みの感じ方は人それぞれで、症状によっても異なります。重だるいような鈍痛が続く方もいれば、ズキッと刺すような鋭い痛みを感じる方もいらっしゃいます。朝起きたときにこわばりを感じ、動きだすと徐々に楽になるケースもあれば、逆に動いているうちに痛みが強くなるケースも見られるようです。
痛みが太ももや膝の方まで広がっていく放散痛が現れることもあります。このような痛みの広がり方は、神経が圧迫されている可能性を示唆していると言われています。また、何もしていないときは気にならないのに、特定の動作をすると痛みが走るという方も多くいらっしゃいます。
左の鼠径部の痛みは、日常生活のさまざまな場面で顔を出します。特に多いのが歩き始めの一歩目や、長時間座った後に立ち上がるときです。階段を昇るときや車の乗り降りの際にも痛みを感じやすいでしょう。
スポーツをされている方なら、ボールを蹴る動作や急な方向転換、ダッシュの瞬間に痛みが走ることがあります。こうした痛みのパターンを知っておくと、原因を特定する手がかりになります。
鼠径ヘルニアは、お腹の中の臓器が鼠径部の弱くなった部分から飛び出してしまう状態のことです。立ち上がったり、お腹に力を入れたりすると、鼠径部がぽっこり膨らんで見えることがあります。横になると膨らみが引っ込むのが特徴的で、左側だけに現れるケースもあるようです。
初期の段階では違和感程度かもしれませんが、放置しておくと徐々に痛みが強くなる傾向があると報告されています。特に注意したいのが、飛び出した臓器が戻らなくなる嵌頓という状態です。激しい痛みと吐き気を伴い、緊急の処置が必要になることもあるため、膨らみを見つけたら早めの来院をおすすめします。
グロインペイン症候群は、スポーツをする方に多く見られる症状です。サッカーや陸上競技など、走る動作を繰り返すスポーツで発症しやすいと言われています。鼠径部周辺の筋肉や腱に繰り返し負荷がかかることで、炎症が起きている可能性があるでしょう。
運動のし始めに痛みを感じ、動いているうちに少し楽になることもあれば、逆に痛みが増していくこともあります。骨盤周辺の筋肉のバランスが崩れていたり、体幹の安定性が低下していたりすることが背景にあるケースが多いようです。放置すると日常生活にも支障が出てくるため、早めの対処が大切になります。
鼠径部にはリンパ節が集まっていて、体に何らかの感染や炎症があると腫れることがあります。しこりのように触れることもあり、押すと痛みを感じる場合があるでしょう。風邪を引いたときや、足にケガをしたときなどに腫れやすいと考えられています。
多くの場合は時間とともに改善していきますが、腫れが長く続いたり、だんだん大きくなったりする場合は注意が必要です。また、熱を持っていたり、赤くなっていたりする場合も、専門家に相談したほうが安心でしょう。
変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減って骨同士が直接こすれ合うことで痛みが出る状態です。中高年の方に多く見られますが、若い頃の股関節の形成不全が原因になっているケースもあります。左側だけに症状が現れることも珍しくないようです。
FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)は、股関節の骨の形状により、動作の際に骨同士がぶつかってしまう状態を指します。股関節を深く曲げたり内側にひねったりする動作で、鼠径部に痛みや詰まり感を感じることがあるでしょう。スポーツ選手や柔軟性の高い方にも見られることがあると報告されています。
女性の場合、婦人科系の問題が左の鼠径部の痛みとして現れることがあります。子宮内膜症では、本来子宮の内側にあるべき組織が別の場所にでき、生理周期に合わせて炎症を起こす可能性があるでしょう。卵巣嚢腫は卵巣に液体が溜まって腫れる状態で、左側だけに発生することもあります。
生理前や生理中に鼠径部の痛みが強くなる場合は、こうした疾患が関係しているかもしれません。下腹部の重だるさや不正出血を伴うこともあるため、心当たりがある方は婦人科での検査も視野に入れるとよいでしょう。
まずは鏡の前に立って、左の鼠径部を目で見て確認してみましょう。右側と比べて左側だけが膨らんでいたり、皮膚の色が変わっていたりしないか観察してみてください。次に、手のひらで優しく触れてみます。しこりのような硬いものを感じないか、押したときに痛みがないかをチェックするとよいでしょう。
立った状態と横になった状態の両方で確認することが大切です。立っているときだけ膨らみが現れる場合は、鼠径ヘルニアの可能性も考えられます。お腹に力を入れてみて、膨らみが大きくなるかどうかも確認してみてください。もし何か異常を見つけたら、自己判断せずに専門家に相談することをおすすめします。
アダクタースクイーズテストは、内転筋の状態を確認するための簡単な方法です。仰向けに寝て、両膝の間にクッションやタオルを挟みます。そのまま両膝に力を入れて、内側に押し合わせるようにしてみてください。
このとき鼠径部や内ももに痛みを感じたり、しっかり力が入らなかったりする場合は、グロインペイン症候群の可能性があるかもしれません。股関節を軽く曲げた状態、45度くらい曲げた状態、90度に曲げた状態と、角度を変えて試してみるとより詳しくチェックできます。痛みの出る角度があれば、それも覚えておくと施術の際に役立つでしょう。
日常生活の中で、どんな動作で痛みが出るのかを記録しておくことも大切なセルフチェックです。朝起きたとき、歩き始めの一歩目、階段の昇り降り、車の乗り降りなど、具体的な場面をメモしておきましょう。痛みの強さを10段階で評価してみるのもよい方法です。
| チェック項目 | 確認ポイント |
|---|---|
| 朝起きたとき | こわばりや痛みの程度 |
| 歩き始め | 最初の一歩での痛み |
| 階段昇降 | 特に昇るときの痛み |
| 長時間座位後 | 立ち上がる際の痛み |
時間帯による変化も注目ポイントになります。朝起きたときが一番痛いのか、夕方になると悪化するのか、動いているうちに楽になるのかなど、パターンを把握しておくと原因の特定につながります。
女性の方は、生理周期と痛みの関係をチェックしてみることをおすすめします。生理が始まる前の数日間だけ痛みが強くなるのか、生理中ずっと続くのか、排卵期あたりで痛むのかなど、タイミングを記録しておきましょう。
カレンダーに痛みの程度を書き込んでいくと、パターンが見えてくることがあります。毎月同じような時期に痛みが現れるようなら、婦人科系の疾患が関係している可能性も考えられるでしょう。基礎体温も一緒に記録しておくと、さらに詳しい情報が得られます。こうしたデータは来院時に持参すると、原因の特定に役立つはずです。
左の鼠径部に痛みを感じたとき、どこに相談すればよいか迷いますよね。症状によって適切な受診先が変わってくるため、自分の状態に合った選択が大切です。膨らみやしこりがある場合は外科や消化器外科が適しているでしょう。鼠径ヘルニアの可能性があるため、早めの来院をおすすめします。
| 症状 | 適した受診科 |
|---|---|
| 膨らみ・しこりがある | 外科・消化器外科 |
| 運動時の痛み・股関節の制限 | 整形外科 |
| 生理周期と関連した痛み | 婦人科 |
| 陰嚢にも違和感(男性) | 泌尿器科 |
股関節の動きに制限があったり、運動時に痛みが強くなったりする場合は整形外科が向いているかもしれません。生理周期と関連して痛みが変動する女性の方は、婦人科での検査も視野に入れるとよいでしょう。
スムーズな診察のために、事前に情報を整理しておきましょう。いつから痛みが始まったのか、きっかけになった出来事はあったか、どんな動作で痛むのかなど、具体的にメモしておくことをおすすめします。痛みの程度や時間帯による変化、これまでに試した対処法とその効果についても記録しておくとよいでしょう。
過去の病歴や現在服用している薬があれば、その情報も大切です。お薬手帳を持参すると安心ですね。女性の方は生理周期のメモや基礎体温の記録があると役立ちます。こうした情報を整理しておくことで、限られた時間の中でも効率的に相談できるでしょう。
ほとんどの鼠径部の痛みは緊急性が高くありませんが、中にはすぐに対応が必要なケースもあります。特に注意したいのが、激しい痛みと吐き気を伴う場合です。鼠径部が硬く膨らんで戻らなくなり、触ると強い痛みを感じるときは、嵌頓の可能性があるかもしれません。
夜間や休日でも、我慢せずに医療機関に連絡することをおすすめします。また、発熱を伴っていたり、鼠径部が赤く腫れて熱を持っていたりする場合も早めの受診が必要でしょう。痛みで歩けなくなったり、日常生活に大きな支障が出たりしている場合も、できるだけ早く専門家に相談してください。こうした症状がなくても、痛みが2週間以上続く場合は来院を検討するとよいでしょう。
股関節周りを柔軟に保つことは、鼠径部の痛みを予防する上でとても大切です。まずは鼠径部の前側を伸ばすストレッチから始めてみましょう。椅子に片方のお尻を乗せ、反対側の足を後ろに引いて、腰を少し前に突き出すようにします。無理に力を入れず、ゆっくり深呼吸しながら20秒ほどキープしてみてください。
次に後ろ側のストレッチです。椅子に座り、片方の足首を反対の膝の上に乗せて、ゆっくり体を前に倒していきます。お尻や太ももの裏側が伸びるのを感じながら行うとよいでしょう。床に座って足の裏同士を合わせ、膝を外側に開くストレッチも効果的です。鼠径部を床に押しつけるように意識すると、より深く伸ばせるかもしれません。入浴後の体が温まっているときに行うのがおすすめです。
日常の姿勢が鼠径部への負担を大きくしていることがあります。デスクワークで長時間座っている方は、骨盤が後ろに倒れて股関節が圧迫されやすくなるため注意が必要です。椅子に深く腰掛けて、坐骨で座面をしっかり捉える意識を持つとよいでしょう。
立っているときは、片方の足に体重をかける癖がないかチェックしてみてください。左側だけに痛みが出る場合、無意識に左足に負担をかけているかもしれません。両足に均等に体重を乗せ、膝を軽く緩めた状態で立つことを心がけましょう。歩くときも、骨盤が左右に大きく揺れないよう、お腹に力を入れて体幹を安定させることが大切です。
痛みがあるときは、無理な動作を控えることも重要なセルフケアです。急な方向転換やダッシュなど、股関節に急激な負荷がかかる動きは避けたほうがよいでしょう。重い荷物を持ち上げるときも、膝を曲げて体全体で持ち上げるようにして、鼠径部だけに負担がかからないよう注意してください。
長時間同じ姿勢を続けることも避けたい行動です。座りっぱなしや立ちっぱなしは血流を悪くし、筋肉を硬くする可能性があります。1時間に一度は立ち上がって軽く体を動かしたり、ストレッチをしたりするとよいでしょう。
階段の昇り降りで痛みが強い場合は、エレベーターやエスカレーターを使うことも選択肢に入れてください。痛みを我慢して無理をすると、かえって回復が遅れることもあります。
体重が増えると股関節への負担も大きくなるため、適正体重を保つことが予防につながります。急激なダイエットは避けて、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。ウォーキングや水泳など、股関節に優しい運動から始めるのがおすすめです。
体幹の筋肉を鍛えることも、鼠径部の痛み予防に役立ちます。プランクやブリッジなど、お腹や背中の深層筋を使うトレーニングを取り入れてみてください。ただし、痛みが強いときは無理に運動せず、まずは安静にすることが優先です。症状が落ち着いてから、少しずつ体を動かしていくようにしましょう。自分に合ったペースで続けることが、長期的な健康維持の鍵になるはずです。
左の鼠径部の痛みは、鼠径ヘルニアやグロインペイン症候群、リンパ節の腫れ、変形性股関節症など、さまざまな原因によって引き起こされます。女性の場合は婦人科系の疾患が関係していることもあるため、生理周期との関連も確認しておくとよいでしょう。
日常生活の中でセルフチェックを行い、膨らみやしこりの有無、動作時の痛みのパターンを把握しておくことが大切です。アダクタースクイーズテストなど簡単な方法で、自分の体の状態を確認できます。症状によって適切な受診科が異なるため、膨らみがあれば外科、運動時の痛みなら整形外科というように、状態に合わせて選択しましょう。
激しい痛みと吐き気を伴う場合や、鼠径部が硬く膨らんで戻らない場合は、嵌頓の危険性があるため、すぐに医療機関に連絡することをおすすめします。予防のためには、股関節周りのストレッチや姿勢改善、適正体重の維持が効果的です。痛みを我慢せず、早めの対処と専門家への相談を心がけてください。
#左の鼠径部の痛み #鼠径ヘルニア #グロインペイン症候群 #股関節ストレッチ #セルフチェック方法