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術後の内出血はなぜ起こるのか?手術による血管損傷の考察と回復を早める対処法

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術後に内出血が起こるのはなぜ?

手術を受けた後、施術部位の周りが青紫色に変色していることに気づき、驚かれる方は少なくありません。これは内出血と呼ばれる現象で、手術を受けた方の多くが経験するものです。

手術による血管損傷の仕組み

手術では皮膚を切開したり、器具を使って組織を操作したりします。その過程で、目に見えないほど細い毛細血管が傷ついてしまうんですね。メスで切開する際はもちろん、縫合するときの針の刺激、手術器具による圧迫などでも血管は損傷を受けます。

私たちの体には無数の毛細血管が張り巡らされていますから、どんなに丁寧な手術でも、ある程度の血管損傷は避けられないのが現実です。

血液が皮下組織に漏れ出すメカニズム

血管が傷つくと、そこから血液が漏れ出して皮下組織に広がっていきます。この漏れた血液が皮膚の下に溜まることで、外から見ると青紫色のあざとして現れるわけです。内出血の色は、血液中のヘモグロビンという成分が皮膚を通して見えているためで、深い部分で出血すれば黒っぽく、浅い部分なら赤紫色に見えます。

体の自然な修復反応としての側面

実は内出血自体は、体が傷を修復しようとする過程で起こる自然な反応でもあります。傷ついた組織を修復するために血液成分が集まり、その過程で一時的に出血が起こるんですね。体は漏れ出た血液を少しずつ分解・吸収していきますので、時間とともに内出血は自然に消えていきます。

内出血が起こりやすい人の特徴とリスク要因

同じ手術を受けても、内出血の程度は人によってかなり差があります。ほとんど目立たない方もいれば、広範囲に内出血ができてしまう方もいらっしゃいます。

内出血が起こりやすい方の特徴は以下の通りです。

  • 高齢者:血管の柔軟性が失われて脆くなり、皮膚も薄くなるため
  • 抗凝固薬・抗血栓薬を服用している方:血液が固まりにくく、出血が止まりにくい
  • 高血圧の方:血管に常に強い圧力がかかっており、出血が起こりやすい
  • 女性:男性と比べて皮膚が薄く、ホルモンバランスの影響も受けやすい
  • 冷え性や血行不良の方:血管の状態が良くないため内出血しやすい傾向

高齢者は要注意

年齢を重ねると、血管の柔軟性が失われて脆くなっていきます。若い頃と比べて血管壁が薄くなり、ちょっとした刺激でも破れやすくなってしまうんですね。また、皮膚そのものも薄くなるため、内出血が外から見えやすくなります。高齢の方が転んだだけで大きなあざができてしまうのも、こうした理由からです。

抗凝固薬・抗血栓薬を服用している方

心臓病や脳梗塞の予防のために、血液をサラサラにする薬を飲んでいる方は注意が必要です。これらの薬は血液が固まりにくくするため、一度出血すると止まりにくい特徴があります。ワーファリンやバイアスピリン、NOAC(新規経口抗凝固薬)などを服用されている場合、手術前に主治医へ相談することが大切です。

高血圧の方や血流に問題がある方

血圧が高いと、血管に常に強い圧力がかかっている状態です。この状態で血管が傷つくと、通常よりも勢いよく血液が漏れ出してしまいます。また、冷え性や血行不良で悩んでいる方も、血管の状態が良くないため内出血しやすい傾向にあります。

女性は男性より内出血しやすい

統計的に見ると、女性は男性と比べて皮膚が薄いため、内出血が目立ちやすいことがわかっています。また、ホルモンバランスの影響で血管の状態が変化しやすく、生理周期によっても内出血のしやすさが変わることがあります。

内出血はどのくらいで消える?色の変化と回復の目安

手術後の内出血を見て、いつまでこの色が残るのだろうと不安になる方も多いでしょう。内出血の回復過程を知っておくと、安心して経過を見守ることができます。

通常の回復期間は1〜2週間

多くの場合、内出血は1〜2週間ほどで自然に消えていきます。体が漏れ出た血液を少しずつ分解し、吸収していくためです。ただし、これはあくまで目安で、出血の程度や個人の体質によって期間は変わってきます。若くて代謝が良い方は比較的早く改善しますし、高齢の方や持病をお持ちの方は少し時間がかかる傾向にあります。

色の変化で回復の進み具合がわかる

内出血の色は、時間とともに変化していきます。この色の変化は、血液中のヘモグロビンという成分が分解される過程で起こるものです。

段階状態
手術直後赤紫色新鮮な血液の色
数日後青色ヘモグロビンの分解が進行
1週間前後緑色・茶色さらに分解が進んだ状態
回復期黄色吸収が進み消える前の段階

色が変わっていれば心配いりません

あざの色が日に日に変わっているなら、それは体が順調に内出血を吸収している証拠です。色が薄くなり、範囲が小さくなっていけば、回復は順調に進んでいるといえるでしょう。逆に、いつまでも同じ色のままだったり、範囲が広がっていったりする場合は注意が必要です。

1か月以上消えない場合は相談を

通常、内出血は長くても1か月程度で消えるものです。それ以上経っても色が残っている場合は、一度医療機関に相談することをおすすめします。稀に、血液が固まって硬いしこりになってしまうケースもあります。

内出血を早く治すためのセルフケア方法

内出血は時間とともに自然に消えていきますが、適切なケアを行うことで回復を早めることができます。時期によってケア方法が異なりますので、段階に応じた対応が重要です。

手術直後は冷やすことがポイント

手術を受けた当日から数日間、内出血の部位が赤紫色で痛みがある間は冷やし、色が黄色っぽく変わってきたら今度は温めるケアに切り替えます。手術直後に冷やすことで、血管が収縮し、それ以上の出血を抑えることができます。氷嚢や冷却パックを患部に当てるのが効果的です。

冷やす時間の目安は、15〜20分程度を1日に数回です。あまり長時間冷やし続けると、逆に血行が悪くなってしまいますので注意してください。

時間が経ったら温めて血流促進

内出血の色が黄色っぽく変わってきたら、温めるケアに切り替えます。この段階では、血流を良くすることで血液の吸収を早めることができるんですね。温かいタオルを患部に当てたり、ぬるめのお湯にゆっくり浸かったりするのが効果的です。患部の周辺を優しくマッサージすることで、さらに血液の吸収を促すことができます。

栄養面でのサポートも大切

体の内側からのケアも、回復を早める上で重要です。とくに鉄分とタンパク質は、血液の生成や組織の修復に欠かせない栄養素です。鉄分を多く含む食品としては、レバーや納豆、小松菜などがあります。タンパク質は卵や鶏肉、魚類、豆腐などから摂取できます。

避けるべき行動も知っておこう

回復を妨げる行動もありますので、注意が必要です。

  • 飲酒:血管を拡げて出血を促進してしまう
  • 激しい運動:同様に出血を促すリスクがある
  • 寝不足:体の回復力を低下させる
  • 不規則な生活:止血の妨げになる

このような内出血は要注意|医療機関来院が必要なケース

ほとんどの内出血は自然に治っていくものですが、中には医療機関での確認が必要なケースもあります。以下のような症状が見られたら、早めに相談することをおすすめします。

症状考えられる状態対応
範囲が日ごとに広がっている出血が続いている可能性止血の処置や再検査が必要
強い痛みや腫れ・熱を伴う感染や血腫の可能性速やかに医療機関を受診
1か月以上消えない吸収がうまくいっていない専門家に診てもらう
心当たりのない内出血が頻繁紫斑病や血友病の可能性検査と施術が必要

日ごとに範囲が広がっている

通常、内出血の範囲は時間とともに小さくなっていきます。しかし、日を追うごとに広がっていく場合は、まだ出血が続いている可能性があります。手術から数日経っても範囲が拡大している場合は、止血の処置や再検査が必要になることがあります。

強い痛みや腫れ・熱を伴う場合

内出血があっても、通常はそれほど強い痛みはありません。しかし、ズキズキとした激しい痛みがあったり、患部が熱を持って腫れ上がったりしている場合は、感染を起こしている可能性があります。血液が溜まって血腫という塊を作ってしまうこともありますので、速やかに医療機関を受診してください。

1か月以上経っても消えない・色が変わらない

内出血は通常1〜2週間、長くても1か月程度で消えるものです。それ以上の期間が経っても色が変わらない場合は、何か別の問題が隠れているかもしれません。血液の吸収がうまくいっていないのか、専門家に診てもらう必要があります。

心当たりのない内出血が頻繁に起こる

手術とは関係なく、ぶつけた覚えもないのに内出血が頻繁にできる場合は注意が必要です。これは紫斑病や血友病といった、血液の病気のサインかもしれません。どちらも適切な検査と施術が必要になりますので、気になる症状があれば早めに相談しましょう。

早めの検査と相談が重要

体からのサインを見逃さず、少しでも不安を感じたら医療機関を受診することが大切です。早期に発見・対応することで、大きなトラブルを防ぐことができます

まとめ

手術後の内出血は、施術中に毛細血管が傷つくことで起こる自然な現象です。多くの場合、1〜2週間程度で自然に消えていきますが、高齢者や抗凝固薬を服用している方は特に注意が必要です。

早期回復のためには、手術直後は冷やし、時間が経過したら温めるという段階的なケアが重要になります。また、鉄分やタンパク質を含む食事を摂り、飲酒や激しい運動を避けることで回復を促進できます。

内出血の色が赤紫色から青色、緑色、黄色へと変化していれば、回復は順調に進んでいる証拠です。ただし、範囲が広がっていく場合や強い痛みを伴う場合、1か月以上消えない場合は、早めに医療機関に相談することをおすすめします。

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引用元

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/84/7/84_1076/_article/-char/ja

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jacsurg/31/6/31_823/_article/-char/ja

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4075187

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/72/4/72_4_1042/_article/-char/ja

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10665615


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