お気軽にご相談ください!
筋トレで低血糖になる原因とは?症状・対策・予防法を詳しく解説

筋トレ中に低血糖が起こるメカニズム
血糖値の役割と筋肉が消費するエネルギーの仕組み
血糖値とは血液中のブドウ糖濃度を示すもので、脳や筋肉を動かすためのエネルギー源となります。筋トレを行うと筋肉が活発に動き、糖をエネルギーとして大量に消費するのですが、このとき血液中のブドウ糖がどんどん使われていきます。
普段は肝臓が糖を供給し続けることでバランスを保っているものの、激しい運動では消費が供給を上回り、結果として血糖値が急激に下がってしまうことがあるんですね。
無酸素運動によるインスリン感受性の向上とGLUT4活性化
筋トレのような無酸素運動を行うと、体の中でインスリン感受性が高まるという変化が起こります。インスリンは血糖を細胞に取り込む働きをするホルモンですが、筋トレによってその効き目が良くなると、必要以上に血糖が筋肉細胞へと移動してしまうケースがあります。
また筋収縮によってGLUT4という糖の運び屋が活性化され、インスリンがなくても糖を取り込めるようになるため、血液中の糖が急速に減少し低血糖を引き起こす要因となります。
運動後も血糖が下がり続ける理由
筋トレが終わった後も血糖値の低下は続きます。これは筋肉の修復作業にエネルギーが必要で、運動で使い果たしたグリコーゲンを再び蓄えようとするためです。
トレーニング後の数時間から24時間程度は筋肉がエネルギーを求め続けるので、運動直後だけでなく時間が経ってからめまいや脱力感といった症状が現れることもあります。そのため筋トレ後の栄養補給を怠ると、予想外のタイミングで低血糖症状に見舞われる可能性があるんです。
#筋トレ低血糖 #血糖値管理 #インスリン感受性 #GLUT4活性化 #運動後低血糖
低血糖の症状と見分け方
初期症状:めまいや冷や汗、手足の震えに要注意
筋トレ中に血糖値が70mg/dL以下になると、体は危険を察知して交感神経が反応します。この段階で現れやすいのがめまいや冷や汗といった症状で、手足が震えたり動悸が激しくなることもあります。
不安感に襲われることもあって、なんだか落ち着かないなと感じるケースも少なくありません。これらは体が警告サインを出している状態なので、このタイミングで気づけるかどうかが重要なんですね。
進行時の症状:集中力低下や視界のぼやけが現れる
さらに血糖値が50mg/dL程度まで下がってしまうと、脳に十分なエネルギーが届かなくなり中枢神経症状というものが出てきます。集中力が著しく低下して作業が手につかなくなったり、視界がぼやけて見えにくくなるといった症状です。
脱力感も強まり、力が入らなくなることもあります。この段階になると本人の判断能力も鈍くなるため、周囲のサポートが必要になってくる可能性があります。
重度の症状:意識障害やけいれんのリスク
血糖値が50mg/dLより低くなると危険性が一気に高まり、意識障害やけいれんといった重度の症状が現れる場合があります。昏睡状態に陥ることもあって、命に関わるリスクが生じます。ここまで進んでしまうと自力での対応は困難で、周囲の人が救急対応をしなければならない状況です。
血糖値 | 主な症状 |
---|---|
70mg/dL以下 | めまい、冷や汗、手足の震え、動悸、不安感 |
50mg/dL程度 | 集中力低下、視界のぼやけ、脱力感、判断能力の低下 |
50mg/dL未満 | 意識障害、けいれん、昏睡のリスク |
単なる疲労との違いと早期発見のポイント
筋トレ後の疲労感と低血糖症状は似ているため見分けにくいのですが、冷や汗や手足の震えといった自律神経症状があれば低血糖の可能性を疑ったほうがよいでしょう。
また低血糖は急激に症状が悪化することもあるので、少しでもおかしいなと感じたら早めに糖分を補給することが大切です。血糖値が70mg/dLを切ると警告症状が出始めるので、この数値を目安にしておくとよいかもしれません。
#低血糖症状 #筋トレ安全対策 #血糖値管理 #初期症状 #重症化予防
筋トレで低血糖になりやすい人の特徴とリスク要因
糖質制限ダイエット中の方はエネルギー不足に注意
糖質制限と筋トレを組み合わせている方は低血糖リスクが高まります。糖質は筋肉を動かす主要なエネルギー源であり、これが極端に不足した状態で筋トレを行うと、血液中のブドウ糖が急激に消費されてしまうんですね。
体はエネルギー不足を危機状態と判断し、交感神経が過剰に働くことで動悸や冷や汗といった症状が出やすくなります。過度な糖質カットは筋肉の分解も招き、筋トレ効果が下がるだけでなく、重症低血糖を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
空腹状態・朝食抜きでトレーニングする方のリスク
空腹時や朝食を抜いた状態での筋トレは低血糖を引き起こしやすくなります。起床後は長時間食事をとっていないため血糖値が低めで、この状態で運動すると血液中のブドウ糖が一気に消費されてしまいます。
肝臓に蓄えられたグリコーゲンも使い果たされると、めまいや脱力感が現れることがあるんです。朝トレを行う場合は軽食やバナナなど吸収の早い糖質を摂取してから始めるのがおすすめです。
糖尿病でインスリン治療中の方は薬と運動の重複に注意
インスリン注射や血糖降下剤で治療中の方は特に注意が必要です。健常者の場合、運動中はインスリン分泌が抑制され血糖値が下がりすぎないよう調整されますが、薬物治療中の方は運動中も血中インスリン濃度が高い状態が続きます。
その結果、運動による筋肉の糖消費とインスリンの作用が重なり、低血糖を起こしやすくなるケースがあります。運動後も数時間から24時間程度インスリン感受性が高まった状態が続くため、夜間や就寝中に低血糖症状が現れることもあります。
長時間・高強度トレーニングを行う方と筋トレ初心者
長時間の高強度トレーニングは筋肉と肝臓のグリコーゲンを消費尽くしてしまうため、運動終了後も血糖値がなかなか上がらず、10時間以上経過した翌日に低血糖が起きることもあります。
また筋トレ初心者の場合、運動によってインスリン感受性が急激に向上するため、体が慣れるまでは低血糖症状が出やすい傾向があります。トレーニング強度や時間を徐々に増やしていくことが大切です。
低血糖になりやすい人の特徴
- 極端な糖質制限ダイエットを実施している方
- 空腹状態や朝食抜きで筋トレをする方
- 糖尿病でインスリン治療中の方
- 長時間・高強度のトレーニングを行う方
- 筋トレを始めたばかりの初心者
#糖質制限リスク #空腹時運動注意 #インスリン治療 #筋トレ初心者 #高強度トレーニング
低血糖を防ぐための食事と栄養補給のタイミング
筋トレ2〜3時間前の食事で炭水化物とタンパク質をバランスよく
筋トレ前の食事タイミングとしては2〜3時間前がベストとされています。このタイミングで食事を摂れば、運動開始までに消化がしっかり進み、エネルギーが筋肉に蓄えられるからです。
炭水化物は筋肉にグリコーゲンとして貯蔵され、筋トレ中の持続的なエネルギー源として使われます。タンパク質も一緒に摂ることで筋肉の分解を防ぎ、パフォーマンスの向上につながるんですね。ご飯や肉・魚のおかずを組み合わせた定食形式が理想的でしょう。
トレーニング中はブドウ糖やスポーツドリンクで素早く補給
長時間または高強度のトレーニングでは、運動中にも糖質を補給することが低血糖予防に有効です。ブドウ糖やスポーツドリンク、エネルギージェルといった吸収の早い糖質を少しずつ摂取すると、血糖値の急激な低下を防げます。特に1時間以上のトレーニングでは運動中の補給を意識すると、集中力やパフォーマンスを維持しやすくなるでしょう。
トレーニング後30分以内のリカバリー食が筋肉回復のカギ
筋トレ直後から30分以内は成長ホルモンの分泌が盛んで、筋タンパク質の合成が活発になります。このタイミングでタンパク質と炭水化物を摂取すると、筋肉の修復がスムーズに進み、疲労回復も早まるとされています。
すぐに食事ができない場合は、プロテインドリンクや魚肉ソーセージ、バナナといった手軽なものでも構いません。運動後も数時間にわたり低血糖リスクが続くため、早めの栄養補給が重要なんです。
糖質だけでなく食物繊維や脂質も含めたバランス栄養が基本
低血糖を防ぐには糖質だけでなく、食物繊維やタンパク質、適度な脂質といった栄養バランスが欠かせません。食物繊維は消化吸収を緩やかにし、血糖値の急激な上昇・下降を抑えてくれます。脂質も少量含めることでエネルギーの持続性が高まり、空腹感を抑える効果があります。精製された白米よりも玄米や雑穀を選ぶと、これらの栄養素がバランスよく摂れるでしょう。
朝トレ派はバナナやゼリー飲料で軽く補食を
朝食を抜いてトレーニングする方は低血糖リスクが高まります。起床後は血糖値が低めなので、軽い補食を摂ってから筋トレを始めるのがおすすめです。消化が早いバナナやゼリー飲料、おにぎり1個といった糖質中心の軽食なら、トレーニング30分〜1時間前でも問題ありません。少量でもエネルギーを補給しておくことで、めまいや脱力感といった症状を予防できます。
筋トレと食事の最適タイミング
- 筋トレ2〜3時間前:炭水化物とタンパク質のバランス食
- トレーニング中:ブドウ糖、スポーツドリンク、エネルギージェルで補給
- トレーニング後30分以内:タンパク質と炭水化物でリカバリー
- 朝トレ前:バナナ、ゼリー飲料、おにぎりなどの軽食
- 普段の食事:糖質、タンパク質、脂質、食物繊維のバランスを重視
#筋トレ前食事 #栄養補給タイミング #トレーニング後30分 #朝トレ補食 #バランス栄養
低血糖症状が出た時の対処法と安全なトレーニング習慣
緊急時は5〜20gの糖質を素早く摂取する
トレーニング中に低血糖症状が現れたら、すぐにブドウ糖10gを摂取するのが基本的な対応です。ブドウ糖タブレットは吸収が早く、約15分で血糖値が回復し始めると言われています。ブドウ糖がない場合は果汁100%ジュースや清涼飲料水150〜200ml程度でも代用できるんですね。
砂糖を使う場合はブドウ糖の約2倍の量、つまり20g程度が目安とされています。15分経っても症状が改善しないときは、同じ量を追加で摂取し安静にしましょう。
運動は即座に中断し安静を保つことが重要
低血糖症状を感じたら運動をすぐに中止し、安全な場所で座るか横になって安静にすることが大切です。運動を続けると血糖値がさらに下がり、意識障害やけいれんといった重症化リスクが高まってしまいます。
糖分を摂取した後も最低15分間は無理をせず、体内のブドウ糖濃度が回復するまで待ちましょう。周囲に人がいる場合は状況を伝え、体調の変化を見守ってもらうのがおすすめです。車を運転中の場合は直ちに安全な場所に停車し、対処が終わるまで運転を再開しないようにしてください。
血糖値モニターを活用した自己管理
低血糖を繰り返す方や糖尿病治療中の方は、血糖値モニターやCGM(連続血糖モニター)を活用するとより安全です。トレーニング前後の血糖値を記録することで、自分の体がどのタイミングで低血糖になりやすいかパターンが見えてきます。食事とトレーニング時間を記録できるアプリも多く、補食のタイミング判断に役立つとされています。
トレーニング前の体調チェックポイント
筋トレ前には空腹感や疲労感、睡眠不足の有無を確認しましょう。空腹状態や体調不良時は低血糖リスクが高まるため、軽い食事や補食を摂ってからトレーニングを始めるのがよいでしょう。また、ブドウ糖やジュースなど緊急時の糖質を持参することも大切です。
糖尿病など基礎疾患がある場合は医師に相談を
インスリン治療中の方や糖尿病などの基礎疾患がある方は、運動前に必ず主治医に相談することをおすすめします。薬の種類や量によって低血糖リスクが異なるため、個別の対応策を医師と一緒に考えることが重要です。トレーニング内容や時間帯についても相談しておくと安心でしょう。
対処項目 | 具体的な内容 |
---|---|
緊急時の糖質摂取 | ブドウ糖10g、または果汁ジュース150〜200ml |
回復までの時間 | 約15分、改善しなければ追加摂取 |
運動の対応 | 即座に中断し、安静を保つ |
持参すべきもの | ブドウ糖タブレット、ジュース、緊急連絡先 |
#低血糖対処法 #ブドウ糖摂取 #運動即座中断 #血糖値モニター #医師相談
まとめ
筋トレ中の低血糖は、筋肉が大量のブドウ糖を消費することで血糖値が急激に下がることが原因です。特に糖質制限中の方、空腹状態でトレーニングする方、インスリン治療中の方はリスクが高まります。症状は血糖値70mg/dL以下でめまいや冷や汗、50mg/dL程度で集中力低下や視界のぼやけ、さらに低下すると意識障害やけいれんといった重度の症状が現れます。
低血糖を防ぐには、筋トレ2〜3時間前に炭水化物とタンパク質をバランスよく摂取し、トレーニング中も必要に応じて糖質を補給することが重要です。運動後30分以内のリカバリー食も筋肉修復と低血糖予防に効果的とされています。朝トレを行う方は、バナナやゼリー飲料などの軽食を摂ってから始めましょう。
もし低血糖症状が出た場合は、すぐにブドウ糖10gを摂取し、運動を即座に中断して安静を保つことが大切です。糖尿病などの基礎疾患がある方は、運動前に必ず主治医に相談し、個別の対応策を立てることをおすすめします。適切な食事管理と体調チェックを行うことで、安全に筋トレを継続できるでしょう。
引用元一覧
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhgmwabun/21/2/21_61/_pdf/-char/ja
https://dmic.jihs.go.jp/general/about-dm/040/050/05.html
https://dm-net.co.jp/qa1000_2/2006/05/q573_1.php
https://www.kamaboko.com/fishprotein/articles/trainingfood/
https://www.jpinstructor.org/shikaku/kintore/kintore-article09/
https://disease.jp.lilly.com/diabetes_dac/hypoglycemia/insulintherapy-lowglucose
https://www.nittokyo.or.jp/uploads/files/manual_glucagon_lilly.pdf
https://oishi-shunkei.com/blog/10179/