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横隔膜の収縮と動きを徹底解説|呼吸メカニズムの仕組みと健康への影響

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目次

横隔膜の構造と基本的な役割

横隔膜の解剖学的位置と独特な形状

横隔膜って聞いたことはあるけれど、実際にどこにあるのかご存知でしょうか。この筋肉は胸腔と腹腔の境界に位置していて、肺や心臓のすぐ下、肝臓や胃のすぐ上にあります。名前に膜という字がついているため薄い膜のようなものだと思われがちですが、実は人体最大の吸気筋と呼ばれるほど重要な筋肉なんです。

形状はパラシュートやドームのようになっていて、胸郭下口の周りから起始しています。具体的には胸骨の剣状突起、下位6対の肋骨と肋軟骨、そして第1から3腰椎付近の靭帯から始まり、中央部の腱中心という部分に集まって停止する構造です。この腱中心は膜のように薄くて硬い組織で、呼吸の動きに合わせて上下に動くとされています。

横隔神経による二重の制御システム

横隔膜は横隔神経によって支配されていて、この神経は頸神経叢のC3からC5から起始しています。医学の世界ではC3、C4、C5 keep the diaphragm aliveという言葉で覚えられるほど、これらの神経根は横隔膜にとって極めて重要なんです。

興味深いのは横隔膜が随意筋でありながら不随意筋でもあるという点でしょうか。日中は意識的に呼吸の頻度をある程度コントロールできますが、眠っているときは脳幹からの信号により自動的に動いて呼吸を助けてくれます。つまり私たちが意識しなくても、体が勝手に呼吸を続けてくれる仕組みになっているわけです。

一日2万回という驚異的な働き

私たちは無意識のうちに1日に約2万回から2万5000回も呼吸をしていると言われています。1日は86400秒ですから、そのうちのおよそ4分の1を呼吸の動きに使っている計算になります。これだけ多くの回数を休むことなく動き続ける横隔膜は、まさに生命活動を支える縁の下の力持ちと言えるかもしれません。

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横隔膜が収縮するメカニズムと具体的な動き

ドーム型から平坦化へ変わる収縮時の形状

息を吸う時に横隔膜がどう動いているか考えたことはあるでしょうか。横隔膜は普段、胸腔の方へドーム状に盛り上がった形をしていますが、収縮が始まるとその形状が大きく変化していきます。

横隔膜神経からの信号を受け取った横隔膜の筋肉部分が縮むと、ドーム型の頂点部分が足側へ引き下げられていくんです。この時、肋骨や腰椎から起始している周囲の固定部分は動かず、中央の腱中心という部分が主に下方へ移動します。その結果として全体が平坦化されるような形になり、胸腔の縦方向のスペースが広がっていくわけです。

下降距離と胸腔容積の変化

では実際にどれくらい横隔膜は下がるのか気になりませんか。安静時の通常呼吸では、横隔膜は約1.5センチほど下降するとされています。横隔膜の面積が約270平方センチメートルありますから、1.5センチ下がるだけで容積変化は約400ミリリットルにもなるんです。これは一回換気量500ミリリットルの実に8割に相当する量です。

呼吸の種類横隔膜の下降距離容積変化
安静時の通常呼吸約1.5cm約400ml(換気量の80%)
深呼吸さらに大きく下降大幅な容積増加

一方で意識的に深く息を吸う時には、横隔膜はさらに大きく下降して胸腔の容積を増やす働きをします。このような収縮によって胸郭全体の縦径が拡大し、肺が膨らむためのスペースが確保されるという仕組みになっています。

陰圧の発生と空気の流入プロセス

横隔膜が下方へ動くことで胸腔内の圧力にも変化が起きてきます。胸郭が広がると胸腔内は陰圧、具体的にはマイナス6からマイナス8センチメートル水柱程度の陰圧状態になるんです。この陰圧によって肺は外側へ引っ張られるように膨らんでいきます。

興味深いのは、肺自体には筋肉がないため積極的に膨らむことはできず、あくまでも受動的に膨張しているという点でしょうか。胸腔内が陰圧になった結果として口や鼻から気道を通り、自然に空気が肺へ流れ込んでくるわけです。つまり横隔膜の収縮が引き金となり、圧力差によって空気が取り込まれる仕組みが働いているんですね。

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横隔膜の収縮が呼吸に与える影響

安静時呼吸の大部分を担う横隔膜の役割

普段何気なくしている呼吸ですが、その主役は横隔膜であることをご存知でしょうか。実は安静時の呼吸における約70から80パーセントが横隔膜の収縮によって行われているんです。残りの20から30パーセントは外肋間筋という肋骨の間にある筋肉が担っていて、これを胸式呼吸と呼んでいます。

呼吸の種類主な筋肉割合
腹式呼吸横隔膜70~80%
胸式呼吸外肋間筋20~30%

横隔膜の働きが中心となる呼吸を腹式呼吸といいますが、これは横隔膜の面積が約270平方センチメートルもあり、わずか1.5センチメートル下降するだけで約400ミリリットルもの容積変化を生み出せるためです。呼吸運動における横隔膜と外肋間筋の協調関係は、まさに体の精巧な仕組みを感じさせますよね。

収縮時にお腹が膨らむ不思議な現象

息を吸うと横隔膜が下方へ動きますが、この時に興味深い現象が起こります。横隔膜の下には肝臓や胃などの腹部臓器がありますが、これらは骨盤と背骨に囲まれた腹腔という空間に収まっているんです。

横隔膜が収縮して下降すると、腹部臓器も下方や前方へ押し出されることになります。その結果として腹圧が上昇し、お腹が前に膨らんで見えるわけです。息を吸っているのに肺ではなくお腹が膨らむように感じる理由は、まさにこの横隔膜による内臓の移動にあったんですね。

弛緩時は自然に呼気が起こる仕組み

では息を吐く時はどうなっているのでしょうか。実は安静時の呼気では、横隔膜や外肋間筋が積極的に活動する必要はないとされています。横隔膜が弛緩すると、肺と胸壁がもつ弾性収縮力によって自然に呼気が起こる仕組みになっているんです。

肺は常にしぼもうとする性質があるため、横隔膜が弛緩して元の位置に戻るだけで、受動的に空気を押し出してくれます。これは風船を膨らませた後に手を離すと自然にしぼむのと似た原理かもしれませんね。ただし深く息を吐き出す時には、腹筋群や内肋間筋が収縮して積極的に呼気を助けることもあるようです。

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横隔膜の動きと体機能の関係

腹腔内圧の調整と骨盤底筋との連携

横隔膜の動きが体幹の安定性に深く関わっていることをご存知でしょうか。腹腔内圧、専門的にはIAPと呼ばれる圧力のことですが、これはお腹の中の空気圧のようなものです。横隔膜が下がることで腹腔内圧が高まり、体幹を内側から安定させる働きがあるんです。

特に興味深いのは横隔膜と骨盤底筋群の協調運動でしょうか。息を吸う時には横隔膜が下がり、骨盤底筋も一緒に下がります。息を吐く時には横隔膜が上がり、骨盤底筋も上がっていくんです。この二つの筋肉が向かい合う位置関係にあることで、背骨のS字カーブを正しく保ち、姿勢をコントロールする働きがあると考えられています。

腹腔内圧が高まると椎間板にかかる負担が30から50パーセント減少するとも言われていて、腰の自然なカーブを保てるようになるそうです。姿勢を整え、背骨への負担を軽くする上で横隔膜の動きは重要な役割を果たしているわけですね。

内臓へのマッサージ効果と循環の改善

横隔膜が上下に動くことで、その下にある内臓にも影響が及びます。横隔膜の下には肝臓や胃、膵臓、腸、腎臓などの臓器があり、横隔膜を下に下げると、これらの臓器を揉みほぐすことになるんです。

  • 肝臓への刺激
  • 胃や腸の動きの促進
  • 膵臓機能のサポート
  • 腎臓周辺の血流改善
  • 大動脈・大静脈のマッサージ効果

さらに横隔膜には食道や大動脈、大静脈が通っているため、それを上下させるたびに血管をマッサージすることになります。呼吸によって体幹の圧力が変わり、圧がかかった方は膨らみ、圧が減った方は凹むというポンプのような作用が起こるわけです。

この動きによって血液循環が促進され、正しい姿勢を維持しやすくなることで不必要なストレスや疲労が軽減される可能性があるとされています。

自律神経のバランスへの影響

呼吸と自律神経の関係も見逃せないポイントです。息を吸う時は交感神経が優位になり、息を吐く時には副交感神経が優位になると言われています。交感神経は緊張している時やエネルギーを使う時に働き、副交感神経は休息やリラックスする時に働く神経です。

深呼吸をする際には、吸った時間よりもゆっくりと吐き出すことが落ち着きやリラックスには有効になると考えられているんです。横隔膜の動きを意識した呼吸は、自律神経のバランスを整える手助けになる可能性があるんですね。

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横隔膜の収縮を意識した呼吸法と実践

横隔膜呼吸の具体的な方法とセルフチェック

横隔膜を意識した呼吸法って難しそうに感じるかもしれませんが、実は誰でもすぐに始められるんです。まずは仰向けになって膝を軽く曲げた姿勢をとってみましょう。膝を曲げると横隔膜が動きやすくなります。

次に片手を胸に、もう片方の手をお腹に置いて呼吸の動きを確認します。鼻からゆっくりと息を吸い込み、お腹が膨らむのを手で感じてみてください。胸の上に置いた手はあまり動かないはずです。そして口からゆっくりと息を吐き出しながら、お腹がへこんでいくのを確認しましょう。

ここで大切なのは、無理にお腹を膨らませようとしないことなんです。深呼吸ではなく、普通の呼吸で横隔膜を使うことを意識する程度で十分です。もし胸ばかりが動いてお腹があまり膨らまない場合、横隔膜がうまく使えていない可能性があると言われています。

浅い呼吸から深い呼吸への切り替えと姿勢の重要性

浅い胸式呼吸になってしまう原因のひとつに姿勢の問題があります。猫背や背筋の曲がった姿勢は肺を圧迫してしまい、呼吸が浅くなりやすいんです。デスクワークの多い方は特に注意が必要でしょうか。

呼吸を深くするためには、背筋を伸ばして肩や背中の柔軟性を高めることが大切です。仰向けで腹式呼吸ができるようになったら、座った状態や立った状態でも実践してみましょう。息を吐くときは吸うときの倍くらいの時間をかけると、より効果的だと考えられています。

呼吸機能低下のサインと日常での活用

呼吸機能が低下すると、階段を上がったり、少し動いただけで息切れを感じやすくなります。また、慢性的な疲れや肩こり、首こりの背景に横隔膜の衰えが隠れていることもあるそうです。

  • 階段や坂道での息切れ
  • 慢性的な疲労感
  • 肩こり・首こりの悪化
  • 姿勢の崩れ
  • 睡眠の質の低下

日常生活で横隔膜を活用するコツは、こまめに休憩を挟んで意識的に深い呼吸をすることです。1日10から20回を目安に、無理なく続けることが大切ですよ。眠る前に腹式呼吸を何回か行うと副交感神経が優位になり、良い睡眠につながるかもしれません。

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まとめ

横隔膜は胸腔と腹腔の境界に位置する人体最大の吸気筋で、安静時呼吸の約70から80パーセントを担っています。収縮時にはドーム状の形状が平坦化し、約1.5センチ下降することで胸腔内を陰圧にして肺を膨張させる仕組みです。横隔膜の動きは呼吸だけでなく、腹腔内圧の調整による体幹の安定化、内臓へのマッサージ効果、血液循環の促進、自律神経のバランス調整など、体の様々な機能に影響を与えています。

日常生活で横隔膜を意識した呼吸法を取り入れることで、浅い呼吸の改善や姿勢の維持、疲労軽減などが期待できます。仰向けの姿勢で片手を胸に、もう片方をお腹に置き、お腹が膨らむのを確認しながら呼吸する練習から始めてみましょう。1日10から20回を目安に無理なく続けることが大切です。横隔膜は1日約2万回も動き続ける生命維持に不可欠な筋肉ですので、その働きを理解して日々の健康管理に活かしていきたいですね。

【引用元】
https://www.teamlabbody.com/news/archives/842
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E9%9A%94%E8%86%9C
https://www.pilates-bb.com/topics/breathing_20000times/
https://www.lab2.toho-u.ac.jp/med/physi1/respi/respi11/respi11.html
https://www.kango-roo.com/learning/3326/
https://www.kango-roo.com/word/20832
https://www.kango-roo.com/learning/2265/
https://splab.net/apd/ja/f100/
https://seisen.info/blog/note/慢性疼痛と呼吸-─横隔膜呼吸について─/
https://www.itoortho.jp/rehabili/column004.html
https://yoga-lava.com/yogafull/8584/
https://tarzanweb.jp/post-297151
https://www.med.or.jp/komichi/holiday/sports_02_pop.html
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/copd/effective/04.html
https://medical.secom.co.jp/prevent/kenko/column/kenko_c20.html


院長:高木

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