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横隔膜の正確な位置と場所|肋骨の下にあるドーム状の筋肉を理解しよう

横隔膜の位置・場所はココ|胸とお腹の境目にあるドーム型の筋肉
体のどこにあるのか
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる膜状の筋肉で、呼吸に欠かせない部分として知られています。具体的な位置としては、上には肺や心臓があり、下には肝臓・脾臓・胃といった臓器が並んでいるちょうど境界線のような場所にあります。
みぞおちのあたり、つまり肋骨の下部に存在しており、パラシュートやお椀のフタのようなドーム状(円蓋状)の形をしています。この形状は胸腔に向かって盛り上がっているため、息を吸う時に横隔膜が下がると肺が広がるスペースができ、空気を取り込めるようになっているのです。
お腹を指して横隔膜の位置ですかと尋ねられることがありますが、実際には肋骨の内側にある筋肉なので、外から触れても直接確認できるわけではありません。ただし深呼吸をした時にお腹が膨らんだり凹んだりする動きで、横隔膜がしっかり動いているかどうかは感じ取れます。
左右で高さが違う理由
横隔膜は左右対称のように思えますが、実は右側の横隔膜は左側より若干高い位置にあります。この理由は右側に肝臓という大きな臓器があるためで、肝臓が下から押し上げるかたちで右の横隔膜を高くしているのです。
- 肺・心臓の直下に位置する膜状筋肉
- 肝臓・脾臓・胃の直上にある
- ドーム状に胸腔に向かって盛り上がっている
- みぞおちの高さ、肋骨の下部に存在
- 右の横隔膜は左より若干高い(肝臓の影響)
この左右差は正常なものであり、体の構造上当然のことですので心配する必要はありません。レントゲン写真で横隔膜を確認すると、この高さの違いがはっきりとわかります。
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横隔膜の3つの起始部|腰椎部・肋骨部・胸骨部の詳細な場所

3つの部分から始まる筋肉
横隔膜は単純な一枚の膜ではなく、3つの異なる場所から始まって中央で合流する構造になっています。それぞれ腰椎部・肋骨部・胸骨部と呼ばれており、体のさまざまな骨に付着しているのです。
起始部の種類 | 起始する場所 |
---|---|
腰椎部 | 第1〜3腰椎の両側にある弓状の靭帯 |
肋骨部 | 下位6対の肋骨と肋軟骨(第7〜12肋骨) |
胸骨部 | 胸骨の剣状突起の内面 |
まず腰椎部ですが、これは第1から第3腰椎の両側にある弓状の靭帯から起始しています。腰のあたりの背骨から横隔膜が始まっていると聞くと意外に思われるかもしれませんが、後ろ側からもしっかり支えているわけです。
次に肋骨部は、下位6対の肋骨と肋軟骨、つまり第7から第12肋骨から起始しています。肋骨の内側に沿って筋肉が付いているため、横隔膜は肋骨と密接につながっている構造といえます。
胸骨部については、胸骨の剣状突起という胸の中央下部にある突起の内面から起始しているのが特徴です。みぞおちの少し上あたりを触ると硬い部分がありますが、その裏側から横隔膜が始まっています。
中央で合流してドーム状に
これら3つの起始部から出た筋束は、中心に向かって放射状に走行していきます。そして中央部では腱中心という腱膜で構成された部分があり、筋肉部分が周囲を取り囲むようなかたちになっているのです。
腱中心は筋肉のような収縮機能はありませんが、周りの筋肉が引っ張ることで横隔膜全体がドーム状の形を保ちながら上下に動けるようになっています。この構造のおかげで効率よく呼吸ができるわけです。
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横隔膜の正確な高さ|肋骨との位置関係と左右差

レントゲンで見る横隔膜の高さ
横隔膜の高さを正確に把握するには、レントゲン撮影が基準となります。医療現場では後方第10肋骨の高さに横隔膜が位置していることが目安とされており、これより極端に高かったり低かったりする場合は何らかの異常が疑われることもあるのです。
興味深いのは、横隔膜の最も低い部分でも肋骨の最下部より下には存在しないという点です。つまりお腹を指して横隔膜はここですかと尋ねられても、実際には肋骨の内側にある筋肉なので外から直接触れるわけではありません。肋骨に守られた位置にあるため、外傷から保護されているともいえます。
腱中心という横隔膜の頂点部分は、胸と同じくらいの高さにあります。ドーム状に盛り上がっている形なので、中央が最も高く、周辺に向かって徐々に低くなっていく構造になっているのです。
左右で違う高さの理由
横隔膜は左右対称に見えますが、実は右側の横隔膜は左側より半椎体ほど高い位置にあります。この高さの差は体の構造上当然のもので、右側に肝臓という大きな臓器があるためです。
肝臓が下から押し上げるかたちになっているため、右の横隔膜は自然と高い位置に保たれています。レントゲン写真で確認すると、この左右差がはっきりとわかるでしょう。左側には心臓や脾臓、胃などがありますが、肝臓ほど大きくないため左の横隔膜は相対的に低い位置になるわけです。
このように横隔膜の高さは臓器の配置と密接に関係しており、体全体のバランスを考えた構造になっています。
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横隔膜周辺の解剖学的構造|通過する臓器と裂孔の位置

3つの穴が開いている理由
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる膜ですが、実は完全に閉じているわけではありません。重要な血管や臓器が通過するため、3つの裂孔と呼ばれる穴が開いているのです。
裂孔の種類 | 通過する臓器 | 位置 |
---|---|---|
大動脈裂孔 | 下行大動脈 | 腰椎部付近 |
大静脈孔 | 下大静脈 | 腱中心付近 |
食道裂孔 | 食道 | 腰椎部中心付近 |
まず大動脈裂孔は、下行大動脈が通過する穴で腰椎部付近に位置しています。体全体に血液を送る太い血管が通る場所なので、横隔膜が呼吸で動いても血流が妨げられないような構造になっているわけです。
次に大静脈孔ですが、これは下大静脈が通過する穴で腱中心付近にあります。下半身から心臓へ血液を戻す重要な静脈の通り道となっており、横隔膜の中央部分を貫いているのが特徴です。
そして食道裂孔は、食道が通過する穴で腰椎部中心付近に位置しています。口から入った食べ物が胃へと運ばれる通路なので、横隔膜を貫通する必要があるわけです。この食道裂孔の機能が低下すると、胃の内容物が逆流しやすくなることもあるといわれています。
上下を覆う膜の役割
横隔膜の上面は胸内筋膜と胸膜で覆われています。これは胸腔側を保護し、肺との間で滑らかに動けるようにするための構造です。
一方、横隔膜の下面は腹横筋膜と腹膜で覆われており、腹腔側の臓器と接しています。上下それぞれの面が膜で覆われていることで、呼吸時に横隔膜がスムーズに上下動できるようになっているのです。
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自分で横隔膜の位置を確認する方法|セルフチェックのやり方

仰向けで確認する方法
横隔膜がちゃんと動いているかどうかは、自宅で簡単にチェックできます。まず仰向けに寝てお腹に手を置き、呼吸時の動きを確認してみましょう。
息を吸う時にお腹が膨らんでいれば、横隔膜が下がって内臓を押し下げている証拠です。逆に息を吐く時はお腹が凹み、横隔膜が上がっている感覚がわかるはずです。この上下運動がスムーズにできていれば、横隔膜がしっかり働いているといえます。
座ったままでもできるチェック法
椅子に座った状態でも横隔膜の動きは確認できます。肋骨の下部、つまりみぞおちの少し下あたりに手を当てて深呼吸してみてください。
息を吸う時に肋骨が横に広がり、お腹が前に出てくる感じがあれば正常な動きをしています。デスクワーク中でも気づいた時にチェックできるので、ぜひ試してみるとよいでしょう。
動きが悪い時のサイン
横隔膜の動きが悪い場合、胸だけが動く浅い呼吸になりやすい傾向があります。これは胸式呼吸と呼ばれる状態で、ストレスや緊張が続くと無意識にこうした呼吸パターンになることもあるのです。
- お腹に手を当てても全く動かない
- 肩や首周りだけが上下している
- 呼吸が浅く速くなっている
- 息苦しさを感じることがある
- リラックスしづらい状態が続く
お腹に手を当てても全く動かず、肩や首周りだけが上下している場合は要注意です。横隔膜を使った腹式呼吸ができていないサインかもしれません。日常的に深呼吸を意識することで、横隔膜の動きを取り戻せる可能性があります。
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まとめ
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てるドーム状の膜状筋肉で、肋骨の下部に位置し、呼吸に欠かせない役割を果たしています。腰椎部・肋骨部・胸骨部の3つの起始部から始まり、中央の腱中心で合流する構造になっているのが特徴です。
レントゲン撮影では後方第10肋骨の高さに位置することが基準とされ、右側が左側より若干高いのは肝臓の影響によるものです。横隔膜には大動脈裂孔・大静脈孔・食道裂孔という3つの穴があり、重要な血管や臓器が通過しています。
自宅でも仰向けや座位で呼吸時のお腹の動きを確認することで、横隔膜がしっかり働いているかチェックできます。お腹が動かず胸だけが動く場合は、横隔膜を使った腹式呼吸ができていないサインかもしれません。日常的に深呼吸を意識することで、横隔膜の動きを改善できる可能性があります。
引用元一覧:
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/35433
https://www.teamlabbody.com/news/archives/842
https://www.kango-roo.com/word/20832
https://kango.mynavi.jp/contents/nurseplus/career_skillup/20240406-2170464/