
院長:高木お気軽にご相談ください!

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朝起きたときに肩や腰が痛い、なんだか疲れが取れていないと感じることはありませんか。実はそれ、睡眠中の寝返りが関係しているかもしれません。私たちは眠っている間に何度も寝返りを打っていますが、この何気ない動きが体の健康を保つうえでとても大切な役割を果たしているのです。
当院には肩こりや腰痛で悩んでいる方が多く来院されますが、お話を伺うと睡眠中の寝返りがうまくできていないケースが少なくありません。今回は寝返りができないことで体にどんな影響が出るのか、そして改善するためにできることについて詳しくお伝えしていきます。


寝返りは無意識の動作ですが、実は体が必要としている重要な生理現象なんです
そもそも寝返りとは、睡眠中に無意識のうちに体勢を変える動作のことを指します。健康な大人であれば一晩におよそ20回から30回ほど寝返りを打つとされており、この回数は決して多すぎるわけではなく、むしろ体が必要としている自然な動きなのです。寝返りには主に3つの重要な役割があり、それぞれが私たちの健康を支えてくれています。
1つ目は体にかかる圧力を分散させることです。仰向けで寝ていれば背中や腰に、横向きなら肩や腕に体重がかかり続けます。同じ部位に長時間圧力がかかると血管が圧迫されてしまうため、定期的に体勢を変えることで負担を軽くしているのです。
2つ目は血液循環を促進する役割です。血液は酸素や栄養を全身に運び、老廃物を回収する大切な働きをしています。寝返りによって体の向きが変わることで血流がスムーズになり、筋肉や組織に十分な酸素と栄養が届けられるのです。
3つ目は睡眠の質を整える働きです。人の睡眠は深い眠りと浅い眠りを繰り返すリズムで成り立っていますが、寝返りはこの切り替わりのタイミングで自然と起こります。つまり寝返りができることで睡眠のサイクルが正常に保たれ、朝まで質の高い休息が得られるというわけです。
では実際に寝返りがうまくできないと、私たちの体にはどのような影響が出てくるのでしょうか。まず最も多いのが血行不良による慢性的なコリや痛みです。
寝返りが少ないと同じ姿勢が長時間続くため、下になっている部分の血管がずっと圧迫されたままになります。すると血液の流れが滞り、筋肉に十分な酸素が行き届かなくなってしまうのです。酸素不足になった筋肉には疲労物質が溜まりやすくなり、それが肩こりや首のこり、腰痛といった症状として現れます。
朝起きたときに体のどこかが痛むという方は、夜間の血行不良が原因になっている可能性が高いです。特にデスクワークで日中も同じ姿勢が続いている方は、夜間まで血流が悪い状態が続くため、より症状が慢性化しやすい傾向にあります。
寝返りには布団の中の温度や湿度を調整する役割もあります。動きが少ないと熱や湿気がこもってしまい、寝苦しさから眠りが浅くなってしまうのです。また寝返りは睡眠のリズムを整える働きもあるため、うまく打てないと深い眠りと浅い眠りの切り替えがスムーズにいかず、結果として睡眠の質が低下してしまいます。
睡眠の質が悪いと疲労回復が十分にできず、朝起きてもスッキリしない、日中も眠気やだるさを感じるといった状態が続きます。十分な時間寝ているはずなのに疲れが取れないという方は、寝返りの回数が少ない可能性を疑ってみる必要があるでしょう。
寝返りをせずに一方向だけに体重がかかり続けると、むくみやしびれを起こすことがあります。特に脚や腕は圧迫されやすい部位なので、朝起きたときに手足がしびれている、感覚が鈍いと感じる方は注意が必要です。
さらに同じ姿勢を長時間維持することで体の歪みが固定化され、猫背や骨盤の傾きが慢性化するリスクも高まります。日中の姿勢の悪さに加えて夜間も歪んだ状態が続けば、体のバランスはますます崩れてしまうのです。
大人だけでなく、赤ちゃんの寝返りについて心配される親御さんも多くいらっしゃいます。一般的に赤ちゃんは生後5ヶ月から6ヶ月頃に寝返りを始めるとされていますが、個人差が大きく、少し遅れても問題ないケースがほとんどです。
赤ちゃんの体格や性格、育つ環境によって発達のペースは異なります。体が大きめの子や慎重な性格の子は寝返りを始めるのが遅い傾向にありますし、いつも仰向けで寝かせていると寝返りの練習機会が少なくなることもあります。
ただし生後10ヶ月を過ぎても全く寝返りをしない、他の発達面でも気になる点があるという場合は、一度小児科医に相談することをおすすめします。多くの場合は問題ありませんが、専門家の意見を聞くことで安心して子育てができるでしょう。
では寝返りがうまくできない大人の方は、どのように改善していけばよいのでしょうか。いくつか実践しやすい方法をご紹介します。
まず見直したいのがマットレスや敷布団です。柔らかすぎる寝具は体が沈み込んでしまうため、寝返りを打とうとしても余計な力が必要になり、無意識のうちに動きを制限してしまいます。逆に硬すぎると体が痛くなってしまうので、適度な反発力があり体圧を分散できる寝具を選ぶことが大切です。
枕の高さも重要なポイントです。高すぎたり低すぎたりすると首に負担がかかり、寝返りがしづらくなります。仰向けで寝たときに首のカーブが自然に保たれる高さを選びましょう。
日中の姿勢が悪いと筋肉が緊張して体が硬くなり、夜間の寝返りにも影響します。デスクワークの合間にストレッチをする、座る姿勢を意識するなど、日頃から体をほぐす習慣をつけることが大切です。
特に肩甲骨周りや股関節の柔軟性を保つことで、寝返りがスムーズになります。お風呂上がりなど体が温まっているタイミングで軽くストレッチをする習慣をつけてみてください。
寝室の温度や湿度も睡眠の質に影響します。暑すぎたり寒すぎたりすると体が緊張して寝返りがしにくくなるため、季節に応じて適切な室温を保ちましょう。また寝間着も締め付けの少ないゆったりしたものを選ぶと、体の動きが妨げられず寝返りがしやすくなります。
寝具や生活習慣を見直しても朝の痛みや疲労感が改善しない場合は、体の歪みや筋肉の緊張が深く関係している可能性があります。当院では姿勢分析や詳しい検査を通じて、なぜ寝返りがうまくできないのか、どこに根本的な原因があるのかを見つけ出し、一人ひとりに合った施術とアドバイスを行っています。
睡眠は人生の3分の1を占める大切な時間です。その時間を質の高いものにできれば、日中のパフォーマンスも大きく変わってきます。朝起きたときの体の痛みや疲労感を我慢し続ける必要はありません。寝返りがうまくできていないかもしれないと感じたら、ぜひ一度ご相談ください。あなたが快適な睡眠を取り戻し、毎日を元気に過ごせるよう、全力でサポートいたします。