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骨盤の動きは3種類|前傾・後傾・回旋の仕組みと姿勢への影響

骨盤の動き方を理解しよう
骨盤は私たちの体の中心にあって、思っている以上に複雑な動きをしています。毎日の歩行や立ち座りで骨盤がどう動いているか意識したことはありますか。実は骨盤には大きく分けて3つの動きがあるんです。
前後の動きと左右の動き
骨盤の基本的な動きは以下の3種類です。
- 前後運動:骨盤が前に傾いたり後ろに傾いたりする動作
- 左右回転運動:体を捻る時や歩く時に骨盤が左右に回っていく動き
- 左右側方移動:骨盤が横にスライドするような動き
これらの動きが組み合わさることで、私たちはスムーズに歩けたりバランスを保てたりするわけです。どれか一つでも動きが悪くなると、腰痛や肩こりなど体のあちこちに影響が出やすくなってしまいます。
専門的な骨盤の動き
骨盤の専門的な動きとして、ニューテーションとカウンターニューテーションという仕組みがあります。ニューテーションは仙骨のうなずき運動と呼ばれていて、骨盤が前傾すると同時に骨盤上部の腸骨が閉じて、下部の坐骨が開いてくる動きです。
一方でカウンターニューテーションは仙骨の起き上がり運動といって、骨盤が後傾することで骨盤上部が開き、下部の坐骨が閉じていきます。この2つの動きは歩行時に左右交互に起こっていて、スムーズな動作を生み出す大切な働きをしているんですね。
骨盤の動きが正常かどうかで、体全体のバランスや姿勢が大きく変わってきます。
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前傾・後傾の動きと関連する筋肉
骨盤の動きの中でも特に大切なのが前傾と後傾という前後の傾きです。これらの動きは様々な筋肉が連動して作り出しているんですね。
骨盤を前に傾ける筋肉たち
骨盤を前側に傾ける時には、お腹の奥にある腸腰筋が大きな役割を果たします。この筋肉は腰椎から骨盤の前を通って太ももの骨につながっていて、骨盤を前方へ引っ張る働きがあるんです。
また太ももの前側にある大腿直筋も前傾に関わっていますし、背中側では脊柱起立筋という背骨を支える筋肉が骨盤の後ろ側を上に引き上げることで前傾を助けています。これらが協力して働くことで、骨盤は前方に傾いていくわけです。
ちなみに理想的な骨盤の角度は8度から11度ほど前傾しているのが良いとされていて、この角度が保たれることで背骨の自然なカーブも維持されやすくなります。
骨盤を後ろに傾ける筋肉たち
一方で骨盤を後ろ側に傾ける動きには、太ももの裏側にあるハムストリングという筋肉群が関係してきます。この筋肉が縮むと骨盤が後ろに引っ張られて後傾していくんですね。
お尻の大殿筋も骨盤の後傾に関わっていますし、お腹の前側にある腹直筋は骨盤の恥骨という部分を肋骨側に引き上げることで後傾を作り出します。ハムストリングが硬くなってしまうと骨盤が後ろに傾きやすくなって、背中が丸くなる姿勢にもつながってしまうので注意が必要です。
動き | 主な筋肉 | 特徴 |
---|---|---|
前傾 | 腸腰筋、大腿直筋、脊柱起立筋 | 反り腰を招きやすい |
後傾 | ハムストリング、大殿筋、腹直筋 | 猫背になりやすい |
過剰な前傾は反り腰を招いて腰への負担が増えますし、逆に後傾しすぎると猫背になって肩こりや首の痛みが出やすくなります。適度なバランスが本当に大切なんです。
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側方傾斜と回旋の動き
骨盤の動きは前後だけではなく、左右に傾く動きや回る動きも日常的に起きています。特に歩く時にはこれらの動きが組み合わさっているんです。
骨盤の挙上と下制の仕組み
骨盤の側方傾斜というのは、片側の骨盤が上に持ち上がったり下に下がったりする動きになります。上がる動きを挙上、下がる動きを下制と呼んでいて、歩行中に左右交互に繰り返されているんですね。
この動きには脇腹にある腹斜筋が深く関わっています。片側の腹斜筋が縮むと骨盤と肋骨の距離が狭まって、その側の骨盤が引き上げられるわけです。また背中の広背筋も骨盤の後ろ側から上腕骨につながっているため、骨盤の挙上に関与します。
股関節周りの中殿筋という筋肉も重要で、体重を支える側の中殿筋がしっかり働くことで骨盤の水平を保てるようになっています。
回旋運動と歩行時の動き
骨盤の回旋というのは水平面で骨盤が左右に回る動きで、歩く時には片側で約4度、左右合わせると約8度ほど回っているといわれています。この回旋があることで、歩行がスムーズになって推進力も生まれるんですね。
回旋を作り出すのは主に腹斜筋と広背筋の組み合わせです。体を右に捻る時には左の外腹斜筋と右の内腹斜筋、そして左の広背筋が協力して働きます。股関節の内旋や外旋の動きも連動していて、複雑な筋肉の協調運動で成り立っているわけです。
ただ、これらの動きには左右差があって当然で、利き足や普段の姿勢によって個人差が出てきます。完全に左右対称にはなりませんが、極端な差がある場合は注意が必要かもしれません。
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歩行と日常動作における骨盤の動き
骨盤は私たちが歩く時に、想像以上に複雑で連続的な動きをしています。普段は意識していなくても、実は骨盤が動いてくれているおかげでスムーズに歩けているんですね。
3つの動きが同時に連動している
歩行中は骨盤の前傾・後傾、側方傾斜、回旋という3つの動きが同時に連動して起きています。右足が前に出る時には左側の骨盤が前方に回旋して、同時に左右の高さも微妙に変化していくわけです。
立っている時の重心は骨盤の中、仙骨のやや前方あたりに位置していて、歩く際には上下に4センチから5センチ、左右には3センチほど移動します。重心は骨盤の中で八の字を描くように動いてバランスを保っているんですね。
こうした複雑な動きが自然にできることで、私たちは安定して歩けているというわけです。
上半身と下半身をつなぐ要の部分
骨盤と股関節は上半身と下半身の連結部分にあって、運動連鎖という仕組みの中心的役割を果たしています。地面からの力を上半身に伝えたり、逆に上半身から下半身へ力を伝えたりする、まさにつなぎ役なんです。
肋骨と骨盤の間には背骨しかないため構造的に不安定になりやすく、腹筋群がコルセットのように体幹を締めつけて安定性を保っています。
ただ、長時間のデスクワークなど同じ姿勢が続くと股関節周りの筋肉が硬くなって、骨盤が横にブレやすくなるんです。すると腰や膝への負担が増えて、痛みにつながることもあります。日常のクセが積み重なって骨盤の動きに影響を与えているんですね。
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骨盤の動きをセルフチェックする方法
自分の骨盤がどんな状態にあるか気になりませんか。実は家でも簡単にチェックできる方法があるんです。
仰向けと立位でできるチェック
まずは仰向けになって腰と床の間に手のひらを入れてみましょう。手のひら1枚分がちょうど入るくらいなら理想的な状態です。もし拳が入るほど隙間が空いているなら骨盤が前傾していて、逆に手が全く入らないなら後傾している可能性があります。
また壁に背中をつけて立った時のチェックも有効で、かかと・お尻・肩甲骨・後頭部の4点を壁につけてみてください。この時も腰の隙間が手のひら1枚分ならちょうど良い状態ですね。
左右の傾きと回旋のチェック
鏡の前に立って全身を映すと、骨盤の左右差がわかりやすくなります。両手を腰骨に当てて高さを比べてみたり、肩の高さに左右差がないかを確認してみるのも良い方法です。ウエストラインのくびれの高さが違っていたら、骨盤が傾いているサインかもしれません。
回旋のチェックは少し難しいのですが、スカートやズボンが回ってしまう場合は骨盤が捻れている可能性があるんです。
動きを改善する骨盤歩き
骨盤の動きを良くするためには、骨盤歩きというエクササイズがおすすめですよ。
エクササイズ | 方法 | 効果 |
---|---|---|
骨盤歩き | 床に座って両足を伸ばし、お尻で前後に進む | 骨盤周りの筋肉を刺激しバランスを整える |
ハムストリングストレッチ | 太もも裏を伸ばす | 後傾を改善する |
腸腰筋ストレッチ | 股関節前面を伸ばす | 前傾を改善する |
最初は前に5歩、後ろに5歩から始めてみて、慣れたら距離を伸ばしていくと良いでしょう。またハムストリングや腸腰筋のストレッチも、骨盤の動きをスムーズにするために効果的です。
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まとめ
骨盤の動きは前傾・後傾、側方傾斜、回旋の3種類があり、これらが連動することで私たちはスムーズに歩いたりバランスを保ったりしています。
- 理想的な骨盤は8〜11度前傾している
- 歩行時は骨盤が約4度回旋している
- 腸腰筋、ハムストリング、腹斜筋などが動きを作る
- 重心は骨盤の中で八の字を描くように移動する
- セルフチェックで自分の骨盤の状態を確認できる
骨盤の動きが正常に保たれることで、腰痛や肩こりなどの不調を予防し、体全体のバランスを整えることができます。日常生活のクセに気をつけながら、適度なエクササイズやストレッチで骨盤の動きを良い状態に保っていきましょう。
引用元
https://www.kotsuban-baba.com/pelvis3.html
https://tarzanweb.jp/post-254624
https://yogajournal.jp/7974
https://n-p-t.com/latissimus-dorsi/
https://morii-orth.jp/wp-content/uploads/TrainingDocument2022.pdf
https://kunitachiekimae.com/column/body-c/c201907/
https://eclat.hpplus.jp/article/53104
https://rehasaku.net/magazine/hip/pelvic-distortion
https://yogajournal.jp/24835