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広背筋はどこにある?姿勢への影響とストレッチで改善する方法を解説

広背筋はどこにある?位置と構造を解説
広背筋の正確な位置
皆さんは広背筋がどこにあるかご存知でしょうか。広背筋は背中の下半分を大きく覆っている筋肉で、人体で最も表面積の大きな筋肉です。具体的には胸椎6番から腰椎5番の棘突起、正中仙骨稜、腸骨稜の後方部分、そして第9番から第12番の肋骨下部から始まっています。
この筋肉は背中から脇の下を通って、最終的に上腕骨の小結節稜という部分に付着するんです。つまり、腰から肩まで非常に長い距離を走っているということになります。普段私たちが背中と呼んでいる部分の大部分を、実はこの広背筋が占めているのです。
背中の60%を覆う人体最大の筋肉としての特徴
広背筋という名前の通り、この筋肉は人間の背面の約60%程度を覆っているとされています。表面積で見ると人体で最も大きな筋肉といわれているんですね。
起始部位 | 詳細 |
---|---|
胸椎・腰椎 | 胸椎6番~腰椎5番の棘突起 |
骨盤部 | 正中仙骨稜、腸骨稜の後方 |
肋骨部 | 第9~12番肋骨下部 |
肩甲骨 | 肩甲骨の下角 |
停止部 | 上腕骨の小結節稜 |
大きさがあるということは、それだけパワーも備えているということです。鍛えていくと背中の外側への幅ができて、いわゆる逆三角形のような体型を作り出します。一方で、この筋肉が硬くなってしまうと姿勢に大きな影響を与える可能性があります。
起始・停止部位の詳細説明
広背筋の起始部について詳しく見てみましょう。起始とは筋肉が始まる部分のことです。広背筋は胸椎6番から腰椎5番までの棘突起、正中仙骨稜、腸骨稜の後方、第9から第12肋骨、そして肩甲骨の下角から起こります。
停止部は上腕骨の小結節稜で、ここで筋肉が終わっています。つまり広背筋は背中の下半分を覆うようにマントのような形で存在し、腕の骨の前側に付着しているということです。この特殊な付着の仕方が、肩関節の内転・伸展・内旋という動きを生み出し、同時に姿勢にも大きな影響を与えています。
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広背筋の役割と姿勢への影響メカニズム

肩関節の内転・伸展・内旋機能
広背筋の主な機能について詳しく見ていきましょう。この筋肉は背筋という名前を持っていますが、実は肩関節を動かすための筋肉として分類されています。
まず肩関節の内転ですが、これは外側に広がった腕を体の中心方向に引き寄せる動きです。お尻のポケットに手を入れたり、背中を掻いたりする動作がこれに当たります。次に伸展は腕を縦方向に後ろに振る動きで、歩いたり走ったりする際の自然な腕振りがその例です。
そして内旋は肩が体の内側方向に回る動きのことです。胸の前で腕組みをする動作などがこれに該当します。これらの動きはどれも上にある腕を下げる方向に働くため、広背筋が硬くなると腕を上げにくくなってしまう可能性があります。
姿勢維持における広背筋の重要性
広背筋は姿勢維持において非常に重要な役割を果たしています。この筋肉は腰から肩まで長い距離を走っているため、骨盤の動きにも大きな影響を与えるのです。
適切な筋力があれば脊柱を支える力として機能しますが、力み過ぎていると背面が丸めにくくなってしまいます。立位体前屈で背中が曲がりづらい場合や、しゃがむときにお尻が落としにくい場合は、広背筋の緊張が関係している可能性があります。
また、座った時に背中が丸くなって起こすための緊張が生じにくいときは、逆に広背筋の筋力低下が考えられることもあるでしょう。
猫背・巻き肩との関係性
広背筋と姿勢の問題、特に猫背や巻き肩との関係について説明します。この筋肉は腰から肩まで背中の下半分をマントのように覆って、上腕骨の前側に付着しているという特殊な構造をしています。
距離が長いことで肩関節の内旋が大回りになり、回る際の円周が大きくなるため肩関節の位置もずれやすくなるのです。これが定着してしまうと肩は前側に動きやすく、いわゆる巻き肩のような位置になってしまう可能性があります。
猫背で背中の上から首にかけて丸まっている一方で、背中の下側から腰にかけて反っているような姿勢では、広背筋の緊張や硬さが関係していることが考えられます。姿勢改善のためには広背筋を緩めることから始めるのが効果的な場合もあるのです。
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広背筋の硬さが引き起こす姿勢の問題

肩甲骨の位置異常(下方回旋・下制・内転)
広背筋が硬くなると、まず肩甲骨の動きに大きな影響を与えることがあります。この筋肉は肩甲骨の下角にも付着しているため、緊張が続くと肩甲骨が下方に引き下げられやすくなるのです。
具体的には下方回旋という動きが制限され、肩甲骨が内側に寄ってしまう内転の状態になりがちです。普段腕を上げるときに肩甲骨は自然に外側に回転したり上に動いたりしますが、広背筋の硬さがあるとこうした動きがスムーズにいかなくなります。
その結果、腕を上げようとしても肘が曲がってしまったり、上げたときに腰を反ってしまうといった代償動作が現れやすくなるでしょう。本来であれば腕はまっすぐ180度まで上がるのが理想的ですが、肩甲骨の位置異常により可動域が制限されてしまう可能性があります。
肋骨の位置異常と体幹機能への影響
広背筋は第9番から第12番の肋骨下部にも付着しているため、この筋肉が硬くなると肋骨の動きにも影響が出ることが考えられます。肋骨が下方に引かれることで、体幹全体の柔軟性が低下しやすくなるのです。
姿勢の問題 | 広背筋への影響 | 症状 |
---|---|---|
猫背 | 筋肉の短縮・硬化 | 腕が上がりにくい |
巻き肩 | 内旋位での固定 | 肩甲骨の動き制限 |
反り腰 | 過度の緊張 | 体前屈困難 |
胸郭の硬さ | 肋骨部の制限 | 呼吸の浅さ |
特に呼吸に関わる胸郭の動きが制限されると、深い呼吸がしづらくなったり、体幹の安定性にも問題が生じる場合があります。肋骨の位置が正常でないと、背中を丸めるような動作や体をひねる動作も困難になりがちです。
このような状態が続くと、日常生活での動作パターンにも変化が生じ、他の部位に負担をかけてしまう可能性も出てきます。体幹機能の低下は姿勢維持能力の低下にもつながるため、広背筋のケアは非常に重要といえるでしょう。
脊柱の位置異常と反り腰の関係
広背筋は胸椎6番から腰椎5番の棘突起に付着しているため、この筋肉の緊張は脊柱のアライメントに直接影響を与えるます。広背筋が過度に緊張すると、骨盤が上半身側に引き上がり、腰が反っていくような状態になることがあります。
また、広背筋の役割には骨盤の動きもあり、肩関節への作用では上腕骨が骨盤方向に動くだけでなく、反対に骨盤が上腕骨側に向かって動くこともあるのです。
このような状態では背面が丸めにくく、立位体前屈で背中が曲がりにくかったり、しゃがむときにお尻が落としにくかったりする症状が現れる可能性があります。反り腰の状態が続くと腰部への負担が増加し、腰痛などのトラブルにもつながりやすくなるため注意が必要です。
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広背筋が硬くなる原因と日常生活での注意点

デスクワークやスマホ使用による影響
現代の生活では、デスクワークやスマートフォンの使用によって広背筋が硬くなりやすい環境が整ってしまっているのが現状です。長時間のパソコン作業では、どうしても前かがみの姿勢が続きがちですよね。
この姿勢では肩が内側に入り込み、広背筋が短縮した状態で固まってしまう可能性があります。特にスマートフォンを見るときの姿勢は、頭が前に出て肩が内旋しやすく、広背筋への負担が大きくなります。
また、長時間同じ姿勢を保つことで血流が悪くなり、筋肉の柔軟性が低下することも考えられるでしょう。デスクワーク中は定期的に席を立ったり、肩甲骨を動かしたりする習慣をつけることが大切です。
日常動作での広背筋の使われ方
日常生活を振り返ってみると、意外と広背筋が働く場面が多いことがわかります。胸の前で腕組みをしたり、肩にかけたカバンを支えたりする動作では、腕を内側に向けておく必要があるため広背筋の内旋機能が使われています。
- 歩行・走行時の腕振り動作
- 重い荷物を持ち上げる動作
- 胸の前での腕組み
- カバンを肩にかける動作
- 背中を掻く動作
こうした日常動作が偏ってしまうと、広背筋の一部だけが過度に使われて硬くなってしまうことがあるのです。特に片側だけで荷物を持つ習慣がある方や、いつも同じ側で電話を取る方などは、左右のバランスが崩れやすくなる傾向にあります。
姿勢悪化のサイクルとその予防
広背筋が硬くなると、それが原因でさらに姿勢が悪化するという悪循環に陥りやすくなるます。この筋肉は距離が長いことで肩関節の内旋が大回りになり、回る際の円周が大きくなるため肩関節の位置もずれやすくなってしまうのです。
姿勢をよくしようと背筋を鍛えることに集中しすぎて、広背筋に頼ってしまうと肩が内側に入っていくことを助長してしまう場合もあります。つまり、間違った筋力トレーニングが逆効果になってしまう可能性があるということです。
予防のためには、まず自分の姿勢の癖を把握し、広背筋の柔軟性を保つストレッチを日常的に取り入れることが重要でしょう。また、デスクワーク環境の見直しや、定期的な姿勢チェックを心がけることで、悪化サイクルを断ち切ることができるはずです。
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姿勢改善のための広背筋ストレッチ実践法
自宅でできる効果的なストレッチ方法(座位・四つ這い・立位)
自宅で手軽にできる広背筋ストレッチをご紹介しましょう。広背筋は腕を下げる方向に働くため、基本的には腕を上げたかたちでストレッチしていきます。
座位では椅子に座った状態で、片腕を頭上に伸ばし、反対側に体を傾けるサイドストレッチが効果的です。付着している部分を離すように、腕と骨盤の距離を広げることを意識してみてください。
四つ這いの姿勢では、子犬のポーズとも呼ばれる方法がおすすめです。四つ這いになって両手を前方に滑らせながら胸を床に近づけていきます。このとき脇の下から背中にかけての伸びを感じられるでしょう。
立位では壁を利用したストレッチが手軽です。壁に片手をついて体から離れた位置に立ち、腰を後方に引きながら脇の下を伸ばします。どの姿勢でも呼吸を止めずに、ゆっくりと筋肉が伸びている感覚を大切にしてください。
ストレッチのポイントと注意事項
広背筋ストレッチを行う際のポイントとして、まず痛みを感じない範囲で行うことが基本になります。この筋肉は非常に大きいため、無理に伸ばそうとすると他の部位に負担をかけてしまう可能性があるからです。
- 20~30秒程度の時間をかけてゆっくりと伸ばす
- 自然な呼吸を心がける
- 急激に伸ばしたり反動をつけない
- 痛みがある場合は無理をしない
- 左右差がある場合は硬い側を重点的に
また、肩や首に痛みがある場合は無理をせず、痛みのない範囲で調整することが大切です。ストレッチ後に違和感や痛みが残る場合は、強度を下げるか一度中止して様子を見ることをおすすめします。左右差がある場合は、硬い側を中心により時間をかけて伸ばすとバランスが整いやすくなるでしょう。
継続的なケアの重要性と頻度
広背筋の柔軟性を保つためには、継続的なケアが欠かせません。筋肉の特性上、一度ストレッチしただけでは元の硬さに戻りやすいためです。
理想的な頻度としては、毎日少しずつでも続けることが効果的といえます。デスクワークの合間に軽くストレッチするだけでも、筋肉の緊張をほぐすことができるでしょう。朝起きたときや就寝前など、決まった時間に行う習慣をつけると継続しやすくなります。
また、広背筋だけでなく周辺の筋肉も合わせてケアすることで、より効果的な姿勢改善が期待できる可能性があります。肩甲骨周りや胸の筋肉も一緒にストレッチすることで、バランスの取れた体づくりにつながるはずです。無理のない範囲で長く続けることが、健康的な姿勢維持への近道といえるでしょう。
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まとめ
広背筋は人体最大の筋肉として背中の60%を覆い、肩関節の内転・伸展・内旋機能を担っています。腰から肩まで広範囲に渡る付着により、姿勢に大きな影響を与える重要な筋肉です。
現代のデスクワークやスマートフォン使用により広背筋が硬くなりやすく、その結果として猫背・巻き肩・反り腰などの姿勢トラブルを引き起こす可能性があります。肩甲骨の位置異常や肋骨の動き制限、脊柱のアライメント悪化など、全身の姿勢バランスに影響を与えるため注意が必要です。
姿勢改善のためには、座位・四つ這い・立位でのストレッチを組み合わせ、継続的なケアを行うことが効果的です。痛みを感じない範囲で20~30秒程度かけて、ゆっくりと筋肉を伸ばすことがポイントになります。毎日少しずつでも続けることで、広背筋の柔軟性を保ち、健康的な姿勢維持につながるでしょう。
